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「ねぇ…その新魔法って、風だよね。見えないし。」
彩希が剣でムカデを斬りつけながら僕に言った。
「やっぱり風だよね!って、何処から風が発生してるんだ?手品みたいな魔法…」
僕は自分の鉄パイプと手を見ながらひたすら疑問符しか浮かばなかった。
「病原菌は空気感染とかでもなるから、そこからじゃ…」
ハカセ!それは風邪だよっ!
「緊急事態中に本気で間違えてると喉元をナイフで切り裂くよ!」
なんか、いくみが怖いのですが。
「しょうがないじゃない!あたし、なんなの近くでナイフなんかで斬りつけたくないもん!暇なんだからっ!」
暇って言うなよ、いくみ。
「ふぅ、桃の槍も役に立ったよ!長くないと近寄れないよねぇ。」
桃が満足そうに倒したムカデを見た。
「結局、私と朱音と桃しかムカデに向かっていかないし、キラー君は謎の魔法で裏返して本人が驚いてるし。」
彩希が言うのも尤もな事だが、僕は本当にビックリして何もしていなかった。
この魔法は果たして他に役に立つのか?
「うわぁ!」
ハカセの悲鳴にみんなでハカセを見ると、
ムカデの遺体に既に巨大ゴキブリが2匹。
「早く行きましょう。ここはまだゴキブリいるのね。」
冷静にすずかが話していたが、
「すずかも何もしていなかったよね?」
僕の問に、
「気持ち悪いのは嫌だわ…」
冷静にすずかが返答してきた。