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「これをひっくり返したら裏側の脚がワシャワシャしてるのを見ないといけないんだよねぇ?」
僕はみんなを見ながら話していたが、ムカデって意外と動きが早いので距離を置くのが大変。
「気持ち悪いのはさっきからずっとなんだから、早くひっくり返して!」
彩希に言われても僕の魔法で効くのか?
とりあえず一番効力のありそうな、元祖僕の魔法『水』らしきのを放った。
「効いてないって!水の威力ってそんなもんだったの?」
いくみに僕の魔法を非難されております。
「しょうがない、焼くか。」
一か八か『火』を出してみた。野球の素振りからの、縦に鉄パイプを振れば出てくる謎の原理。
「焼けないでこっち来たよー!キラー、焼けムカデ失敗!」
なんだ?桃は焼けムカデって言いたかっただけだろ?
「もしかしたら、これで魔法はネタ切れじゃない?」
すずかに言われる迄も無く、僕の魔法は何と!衝撃の!2種類!
「自分で引っ張りながらその虚しい2種類が効かなかったって事は……?」
彩希が少し残念そうな顔をしながら僕をみた。
なんかフラレた気分である。
「こうなれば奥の手!」
僕は頭上で鉄パイプをひと回し、からの振り落とした。
なんか出た!
ムカデがひっくり返った!
見えない何かが出た。ゴオーって音がしただけで。
「ビックリしている暇があるなら、早くあの気持ち悪い白い場所を斬り込むよっ!」
朱音と、彩希が紅い脚の間にある白い箇所を斬りつけた。
これは効果があった。
僕の見えない何かは何?
自分の鉄パイプを見つめてしまった。