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売店はこの街にいくつもあるみたいだ。売店で物を加工して販売しているらしい。訓練場の所にある売店では以前武器や装備品を支給してくれた場所だ。
「その杖が噂の杖かぁ~単なる太い枝みたいなのをよく魔法なんか宿したなぁ~」
売店のオッサンがいろいろと噂話からの話で僕のオッサンから譲り受けた杖を誇らしく眺めている。
「いやいや!ただ石を杖で打っただけですよっ!魔法なんか僕は使え…………」
迄言ったところで全員から、いやいや~って声を揃えて………困ったなぁ…魔法使えないって話をみんなが認めてくれない。
昔の超能力を否定する番組とかは知っているけれど、魔法使えないって言ってる奴に向かってみんなが使えるって肯定されてしまう光景は見たことないや。
ましてや自分がなるなんて。
でも、魔法使いになるって事は最初に言ってるんだよね、誰も教えてくれないけど………
魔法使いはここに存在しない
売店のオッサンからいろいろ説明をうけた。虫はやはり甲虫って、カブトムシとかクワガタみたいなのを羽とか角を持ってくれば加工して販売するらしい。見せてもらったけれど、かなり硬い鎧や盾にも使用されている。勿論鉄がいいけれど、金属や宝石類も加工しているらしいからいろいろ持ってきてみろって……後はその都度だとの事。
「結局、あのダンジョンに入らないといけないみたいね。」彩希が落ち着いた表情で話していた。
1回入ってスライムでバテバテだったからこれは厳しそうだ。