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「おいおい!私達だよ!そんなにお嬢さん構えないでくれよぉ!」
すずかの構えた先に居たのは……
「あっ、きん…」
「たまちゃん!」
なんか僕と桃で小学生男子の喜びそうな事言ってないか?
そう、入場手続きの時から頻繁に会う金球椿のオッサンと、他3名である。
「ま、一緒の時に入ったから会うのは多いよね、私達は他のグループにも結構挨拶しながら上がっているけれど、君達みたいな遠くからでも響く感じのグループって珍しいからなんとなく声の方に来たんだよ。」
きんた…いや、金球椿のオッサンがそんな話をしていた。
「この先に行けばそろそろ階段らしいので、みんなも怪我とかしないで頑張って下さい!」
と、金球椿の隣に居たオッサンも声をかけてくれた。
「すずかがすぐに構えたけれど、私もなんか気になるのよね…」
彩希が彼等が去った後にその様な事を言い出した。
「いい人に見えるけれど、雰囲気がちょっと違うって云うか、何か説明できない感じの人達よね…」
いくみも思っていたらしい。
「僕は桃とコラボしちゃったから、他は別に…」
僕からはその様な雰囲気を感じなかったのだが、こういうのはみんなの意見も取り入れた方が安全かも知れない。
「あれは気配を随分と消して近くに居たみたいよ…」
すずか、よく判ったな。
僕はまるで気付かなかった事に反省した。