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「なんか早くて黒いの居なかった?」
彩希が言ったのだが、それは2階へ上り直ぐに目の前で地面を這う様に体長1メートル位の平らな何かが通り過ぎたのである。
「これ、今2階のパンフレットみたいので調べたらさ…ブラックジャンボって書いてあるよ。」
朱音が見せてくれたのだが……
「ゴキブリじゃんかっ!うわぁ…ひくわ……」
僕は女子より先に叫んでしまった。
「女の子より先に叫んでいるけど、退治するのはキラー君よ。」
冷静な口調で彩希に言われてしまうって。
「ハカセもいるじゃんかっ!あの傘の方が撲りやすいよ!」
僕がハカセも犠牲に、
「えっ!キラーの鉄パイプの方が早くできるって!」
生意気にハカセが反論。
「どっちでももいいけれどさっ、ブラックジャンボって肉食らしいから食べられない様にね。」
うーん、朱音の一言に全員が静まる。
「肉食って、人にも襲ってくるの?うわぁ…桃、ゴキブリ嫌なのにゴキブリに襲われるのは、ハカセに襲われるのと同じくらい嫌だ!」
ハカセ……桃に普通にフラレてるぞ。