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そんな訳でプリサイスタワーへの入場許可を貰っただけでこの日は止めてしまった。
「いくみ、あなたはキャンプの時はずっと起きてる割に普段は寝てばかりよねぇ…」
いつもの様にアルコールを含んだ彩希が絡み出した。
「しょうがないじゃん!あんなに並ぶなんて、そのまま塔に入ったら疲れちゃうし、それにさ!なんか結構人が死んでるみたいだもん。」
いくみの最後の一言はかなり現実的に気を付けないといけない事なのである。
「まぁ…いろいろと装備とかも用意したり、売店に行きたかったからあまり一気に行ってもしょうがないんじゃない?」
朱音はキャンプの時より元気になって良かった。
「えっ!もうね、焚き火は私好きよ!いきなりハマってしまったもん!」
朱音のテントで寝ないで焚き火で話をしていたのは、かなり楽しめたのであるならばこれからのキャンプは僕は絶対眠れないな…と、感じた。
「それで、時間が余ったからいろいろ話を聞いてみたのだけれど、クリスタルはあるみたいよ…」
彩希がやはり情報収集してきた。
「ついでに、本当にドラゴンがいるみたいよ…本当のドラゴンがどんなのかは知らないけれどね。」
いくみが貰ってきた話はドラゴンの事で、僕達はまだドラゴンの正確な情報というのは把握できていないのである。
明日からのプリサイスタワーへの入場は少し不安が残る。