50
「なんか許可貰うのに凄い人じゃない?朝の病院って感じ…」
いくみがボヤいてますが、確かに朝の病院の例えは合っている。
「これ、ちょっと他のグループの人に聞いてきたけれど、許可が出るのが3日に1回しか無いからみたいよ。でも、たまたまきょうはその日みたいだから良かったわ…」
彩希がそんな情報を仕入れてきた。
「どうせやる事無いから並ぶのもしょうがないか。でも、こんなに人が塔に入れるのかな?」
桃が言うと、
「ここは数階迄行く間に挫折か死ぬしかないぞ!」
後ろに並んでいたオッサンのグループが教えてくれた。
「や、や、や、やっぱりなんかヤバいんですか?嫌だなぁ…」
ハカセが少しビビり出した。
「ただ、噂ではいろいろモノがあるらしい。一旦許可を貰えば死ぬ迄有効らしいからな!」
そんな事をオッサン達が話してくれたが、このオッサン達は強そうだ。
少なくとも僕達は闘いに行くよりも、アトラクションに並んでいるグループに見えてしまうグループである。
そんなのをガラスに映った姿を観て想った。
「順番待ちでこんな会話ばかりなのは、私達でも無さそうよ。結構みんな知らないで来ているグループも多いもの…」
すずかが鉈を研ぎながら周囲を見回しながら話している。
いよいよ僕達の順番である。
係りの人から人数と名前を告げ、パスカードを渡された。
「このプリサイスタワーの中で此方を持っていればもし、亡くなられた場合遺体を回収できる可能性があります。入場の時は必ず見せてください。」
プリサイスタワーと云うのがこの塔の名前なのを初めて知った。
ついでにかなり物騒な事にはを言ってなかった?
「結構死んでるみたいね…キラー君、私を守ってねっ!」
彩希に可愛い顔で言われたが、自分だけ?
相変わらずだな…
でも、本当に危険があるみたいのはこの受付でなんとなく理解できた。
「並ぶの疲れたから、明日からにしましょ!」
いくみー!そんなので有りか??
「賛成!」
桃の声まで元気になってるし…