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「ふぅ…日が暮れる前に着いて良かったわ。何処か兎に角泊まれる場所をみつけましょう。」
彩希がソムニアの街に着いた時にすぐ宿泊場所をみつけたい気持ちは僕も判る。
兎に角歩くのは疲れるのだ。舗装された道ならともかく、舗装もされていない悪路なのである。体力の消耗が激しい。
「ここって、お城もあるんだね!塔の話ばかりみんなしていたけど、大きいんだ!」
桃が街の活気にテンションが上がっている。
そう、最初のシャザールよりも街が大きいのだ。交番みたいのもあり兵士達が滞在している。
「すいません!ここの街の宿泊所って、どの辺りになりますか?」
僕は兵士の一人に聞いてみた。
「宿泊場所だらけだよ!ここソムニアはサングレアルの中では一番だからねっ!ほら、向う側に沢山見えるのが君達旅の人達が大勢いる場所さっ!」
気軽に兵士の中も答えてくれて良かった。
宿泊場所も決まり、この街での夕食になった訳である。
「隣の塔は何かが居て賞金稼ぎの人達が集結しているみたいね。」
いくみが情報を仕入れてきた。
「とりあえず、明日お城に行って入場許可を貰いにいきましょう。」
朱音の話だと塔に入るには城で入場許可を貰わない事には入れないらしい。
「ここですんなりとクリスタルが手に入れば私達は4つの所有者を集めたらいいって事よね。すんなりいかないと思うけど…」
すずかの言うクリスタルもどうやらこの塔の何者かが持っているらしい。
「ってゆーか、この塔の何者かは悪者なの?何故城の隣に悪者?」
彩希の言う事は尤もである。隣に悪者がいるのならば、城も攻めちゃえばいいのに…
夜は深く明日からの冒険もまた気が重くなりそうな強いの出てきたらどうしよう?みたいな不安を深くもたらしていく。