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「ほんとにさぁ、すずかと私で目配せしながらやったのに役にたたないわねぇ…」
いくみが呆れ顔で僕とハカセの顔を見回した。
「魔法で火を消せって、言われた位じゃ分からないよぉ…」
でも、平和の為に謝った。そう、ここで無駄に立ち向かうと勝てないのは空気感で判る。
そんな話をしながら、いくみとすずか、ハカセと僕にキャンプ嫌いな朱音で再び焚き火にあたっている。
「結局テントで眠れないなら、こうして話していれば良かった!」
朱音の声が少し明るくなった気がする。
「そうでしょ?焚き火を囲みながらハカセのチェリー話をすると結構楽しいのよ!」
いくみが言うと、
「いくみー!それは前の時でもう…」
ハカセが言えば、
「じゃあ、チェリーは卒業できたの?」
怪しげな笑みを魅せながらすずかがハカセに毒を吐いている。
「すずかって私、ずっと一緒だけど、こんなキャラだったの?焚き火だから?」
朱音はそうだ、すずかと別のグループに居たんだよなぁ…
「勿論焚き火だからよ。朝日が出ればいつもの私に戻るわ。」
すずかはなんだ?変身するのか?
「ところでキラー、僕達のテントいつ壊れたの?」
ハカセ!本気で戦闘に気付かなかったのか?
「そうだよねっ!キラーちゃん達寝る場所無いじゃん!」
いくみが明るく言ったけれど、壊したのは敵じゃなくて、いくみだからねっ!