40
「ねぇ~やっぱり黄色い鳥いないのぉ~また歩くの大変だよぉ~免許あっても車無いし、せめてチャリ~」
何故か朱音が一番グタグタな話をしている。
「私ね、キャンプで一泊して虫に刺されて大変な事になった事があるから嫌いなんだもん!せめて、車中泊!」
朱音が珍しくずっと愚痴っている。
「ここを真っ直ぐ行けば塔が見えるから、そこがソムニアって街みたいだよ。」
僕は朱音に教えたが、
「それ聞いた~」
朱音、なんかキャラが変わってないか?
「それだけ野宿が嫌なのよ!」
いつも元気な朱音がずっと愚痴ばかり。
「朱音、私ね何気にキャンプ好きよ。焚き火好きなの。」
すずかが逆にみかけとは違う事を言っている。
「前のキャンプで失敗しているから、テントを増やしたけれど、これは相当面倒な重さだよ。なんで鉄板と網を2セットも用意しないと…」
ハカセの話の途中で、
「みんなで一つの鉄板だと、ハカセが独り占めするからでしょ!ハカセとキラー君で黙って食べなさい。」
彩希がいきなり僕をハカセと同類みたいな言い方でまとめてしまった。
「みんな割りと近いよ~歩いて1日丸々歩けば着くんじゃないか?って言ってたけど、無理だよねぇ~桃は歩くの疲れちゃうもん!」
そんな桃は槍だけ持ってかなり軽装だよ。
「いくみとすずかと彩希でいろいろ持ってくれてる。桃と朱音は兎に角歩けって。」
いろいろ持ってくれてるのは有り難いが、僕とハカセはこの荷物で住めるんじゃないか?って程持っている。
「しょうがないでしょ!ハカセとキラーちゃんが私達より力があるんだから。」
いくみの荷物もそこそこ重そうだった。
「あーこんな時にヤマガクが居たらなぁ~」
僕は思わずぼやいた。
悪魔に荷物持ちをさせようとしている、どっちが悪魔なんだか?