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「では、次に逢う時には僕も包帯が無い姿で会おう。折角の美女達に僕の美貌を魅せてあげられなくて申し訳ない。」
キョウレートは僕の炎にやられた訳だけれど、屈託も無く此方を見た。
「キラー、確かに僕は君の攻撃で火だるまになったのだけど、僕の美貌に問題がなかったのが幸いだね。この際、恨みとかは無いさ。第一僕が先に攻撃していたのでね。ここは穏便にいこうとするよ。」
キョウレートのナルシスト発言はかなり面倒だが、話の物分かりは結構いい奴なんだと思った。
「じゃあ、桃ちゃんもバイバイ~」
シノメノと桃は似ているのか気も合うみたいだ。
「いつかは恐らくお互いが殺し合う時がくるかも知れない。それまでに私はもっと強くなっているわ。お互い仲良しではないと云うのを頭に入れておきましょう。」
ルイアとは結局一度も戦ってはいないのだ。
強さが全く見当のつかない女だった。
「これで強盗団としての我々は終わりだ。強盗による資金は稼げたのでね。」
オオチマイとは、実際強盗団って悪い奴等な訳で、僕達は一緒に居れば仲間と勘違いされてもおかしく無い訳だ。それを察してか、オオチマイが続けて話した。
「スタシスの街全体にお前達に敗れて逃げる体でここを出る様にする。お前達は街の者に適当に話を合わせれば良い。では、いつかクリスタルが集まった時に。」
オオチマイ達の、元強盗団?はスタシスの街へと出ていった。
「なんか思ったよりも話しやすい感じだったわ。」
彩希がそれでも右手に包帯を握りしめていながら話している。
「ほんとね、悪魔って何なのかしら?実際今の連中もクリスタル探しだったみたいだし。」
いくみの話の中で出たクリスタルが未だにどんな効果を出すのか、全くの不明というのも僕には気になる処である。
「あんまり考え過ぎてもしょうがないよっ!次の場所に行ってみましょう!また歩くのかな?面倒だなぁ~黄色い鳥にでも乗せてもら………」
朱音!それ以上はたぶんいろんな意味で言っては駄目だ!
僕達はコウモリの入口から出ていく事にした。