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「ほんと、あなた達って賑やかね。遠くからでも来るのが分かるわ。」
聞き覚えのある…ってよりも先程迄一緒に話をしていたサーシイドだった。
「出口で私達の事を待ち伏せて、何か用でもあるの?」
彩希が包丁を持ち直しながらサーシイドに訊いている。
「そんな事をする手間は無いわ、ヤマガクが洞窟から出た事を確認できたので、私から一言話をしてあげようと思ったのよ。」
美女、オオチマイが僕達の前に出てきた。
「そう、あの時持っていないと話したクリスタルは私が1つ持っている。そして、今判っているのは水泡蘭、ブシャーが1つづつ持っていると言うこと。」
オオチマイの言葉に、
「ブシャーがやっぱり持っているんだ!ヤマガクはそこに触れない様な会話を上手くしてたのね。」
朱美が言う通りブシャーのクリスタルを持っている件は、予想はできたが、確信ではなかったのである。
「それで、何故僕達にクリスタルを持っているって話をしてくれたの?」
珍しくハカセが訊ねた。
「えっと、あっ!ハカセでしたっけ?それは、4つ集まった時に何かがおこるしか判らないから他の3つを集めたら私達がそちらに向かおうと云う事よ。」
オオチマイがどうやら持ってくるらしい。
「それって、私達に探させて自分達が根こそぎって事じゃないかしら?」
いくみの話に同調したい。
「何かがおこるって事は、恐らく良いことではないと思うの。ただ、集まったら見てみたい心情もあるのでね。」
オオチマイはそのような話で締めた。
「さっき無いって話を聞いた後に、あるって話をされたから、僕はすっかりオオチマイはやっぱり元おと………」
僕の言葉にオオチマイが
「またそれかっ!」
思いっきり突っ込まれた。
「だってねぇ~玉をひとつ持っているとか…」
僕の言葉に再び、
「誰も玉なんか言ってないだろっ!ようやく全員の誤解を説いたと云うのに……ふふ…」
オオチマイが少し笑みを魅せた。
みんな一斉に笑い出した。
そうだ、お互い戦いというのは辛い事なんだ。僕達は相手を見たらすぐに戦うって事が何回も戦ううちに身に付いてしまっていた様だ。
「分かったわ、もし貴女達の方で見つかった場合は連絡して!私達が見つけた場合は連絡するわ。」
お互いの端末機に連絡を伝える様にした。
さて、これから何処へ探しに行かないといけないのだか?