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「いやいや、衝撃な事だよ。あの美女が、あの!オオチマイが元男って…」
ヤマガクが今迄の元気が一切無く、意気消沈している。
「だーかーらー!!違うって言ってるだろ!」
オオチマイが怒鳴り散らす。
「キラーのせいで、私が男だったって事になってしまったではないか!」
今度のとばっちりは僕にきた。
一応お伝えしておこう。これはお互い戦闘中なのである。
未だに戦っていないのだが……
「シノメノも思うでしょ?桃もなんかさ、そんな気がしてきたよ。」
桃がシノメノと話している。
「でしょ!でしょ!あたしもさ、あの怒鳴り声は男だったんだと思うんだ!」
シノメノと桃の会話って…
「……たぶんさ、私が悪いんだけど、これ戦闘にならないよね。」
彩希が小声で僕に言ってきた。
「オマエ達!姫様に向かって!」
話の原因とも言える黒天が話をまとめようとしたら、
「小さいのは隠れたまま、出てくるな!今は、姫様がずっと女なのかどうかの方が大事だろ!」
キョウレート迄。
既に戦闘にはならなそうだ。
「もうさ!戦ってる場合じゃないでしょ?」
いくみがみんなに向かって話した。
「ついでにさ、クリスタルって知らない?」
いくみが何気なく聞いた。
「クリスタル?それって4つ集まると何かあるやつでしょ?私達も探しているんだよ!」
シノメノが話した。
「お前達、クリスタルを探しているのか?持っているのか?」
ルイアが少し落ち着いた口調で聞いてきた。
「私達はないわ、あなた達こそどうなの?」
朱音が逆に聞き返した。
「私達も無いのよ。姫様のアレがついているのかは知らないけれど…」
サーシイドが言っている途中でオオチマイに頭を撲られた。
「じゃあ、僕はそろそろ帰るよ。ちょっとショックだったな…」
ヤマガクが消沈しながら闇に消えた。
「もう、闘えないわよね。忍者さん、わざわざ死んだフリとかするから話が拗れたのよ。」
すずかがまとめ上げた。