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えーと、みんなで全力で笑ったので、今がどの様な状況なのかが……
隣で口をとがらせながらいくみが怒っている。
そして一言、
「スベった…」
なんか、いくみのキャラが判らなくなりそうだ。
「貴方達、味方同士で随分と気遣いながら大変ね。」
昨日も聞いたあの声が聞こえてきた。そう、サーシイドとシノメノだ。
「キラーは、ここの子どものナイフを喰らいながらもう大丈夫なの?不思議ね………」
サーシイドが話をしている途中に、
「子どもって言うな!サーシイドが年下でしょっ!」
全く落ち着いた感じを見せないシノメノがサーシイドに怒っている。
でも、油断してはいけないのだ。僕にこの世界で初めて負った怪我はこの子どものナイフを……
「あっ!キラー迄子どもって!!」
意外と周囲に神経を使う子どもだわ。
「これで、私達のメンバーも揃ったわ。フフフ…隠れてないで出てくればいいんじゃない?昨日も一緒に居たんでしょ?」
と、言いながらオオチマイが剣をチラつかせた。
「なんだ、バレてましたか。」
昨日一緒に居たヤマガクがまた出てきた。
「やぁ!嘘ついちゃってごめんよ!僕がいるとなかなか姫様が姿を魅せてくれないのでね。って事で、オオチマイ姫様お久しぶりです。」
凡そ味方でも敵でも無い様な立場のエメラルドグリーンの甲冑を着たヤマガクが僕達の前にまた現れたのである。
「なんだ、まだ居たんだ。街で情報を調べても貴方が出てきた情報が無かったから、なんとなくそんな予感はしていたのだけれどね。」
彩希はやはり情報量が僕とは数段違うらしい
「いやぁ、ごめん、ごめん。どうしても僕がやらないといけない事が………」
ヤマガクが言っている途中で、
「そこのオオチマイが持っているクリスタルでしょ?」
すずかが静かな声で遮った。