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「ほんと、毎回なんだけどさっ、ここの入り口のコウモリが大っ嫌い!」
入り口に来る度女性陣が文句を言うのである。今回はいくみだった。
「奥の鍾乳洞は綺麗よね。入り口がしっかりしていれば入場料で生活していけるんじゃない?」
彩希が現実的な話を持ち込んだ。
「奥に強盗団いるけどね…」
すずかの呟きに、これからその強盗団にクリスタルの話をして、無いのならさっさとここは止めようかとの話で洞窟に入ってきた。
「要は強盗団に合わないといけないんだよなぁ…ヤマガクみたいなノリじゃないじゃん、なんか暗いんだよね。」
僕は本当に空気の重さから彼女達の強さが伝わり気持ち的にはあまり逢いたくなかった。
勿論シノメノに刺されたと云うのもあるのだが…
「キラーの傷って、結構深かったのに一晩で治っちゃったよね。やっぱり変態?」
桃が目を潤ませながらとんでもない事を言っているが、本当に治ってしまった。
「理由は解らないけれど、治ってたよ。痛みも無いし。」
僕は正直、暫く無理だと思っていた。
「僕も地味に切り傷が治ってるんだよね。」
ハカセの切り傷も治癒していた。
理由は解らない。
さて、暫く行くといよいよ鍾乳洞のエリアに着いた。
人影が見えるという事で、これからの展開がどうなるのか?