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外の騒がしさから中へ入ると普通はそこは静かな…みたいなのが話の展開でありそうなのですが、違った。
結構みんなバタバタしてるって想像もしていなかった。
水泡蘭先生に連れられて僕達5人は初めてのダンジョンに入ったのだが、通路は照明が点いているし壁はちゃんとした外壁が
できている。床だけ砂利なんだけど、これは足音が出ている方が安全の為って事らしい。庭にある石みたいなもんだよね。
「これから恐らく初心者しか行かない場所に行くけれど、そこにはスライムがいる。先ずはそれを倒してもらう事にする。今回の訓練生で教官の補助無しで倒せたのは7チーム中1チームだけだ。気を引き締めてもらいたい。」
そんな水泡蘭先生からの言葉をどこまで聞いてるのか、いくみが
「スライムだって!!ほんとにいるんだ♪」
音符付いちゃってるわぁ~スライムってあの青い丸い奴のイメージだよねぇ…………
重ねて水泡蘭先生から
「因みにスライムは粉々にすれば1週間位で再生するから、完全には倒せないけれど口からスライムが入ると死ぬし、動いているスライムが皮膚に付けば負傷するから注意する様に」
との事だった。
スライムで死にたくないや………
ダンジョンに入ると横に10人位並べて歩ける通路になっている。ただ、横にみんなで並んで歩いてもすれ違うグループもあるので前後に分かれた方がいいらしい。
「はい!ハカセとキラー君が前で私達女の子を守ってねっ!」
と、可愛いい声で彩希に言われた。守るのは分かっているけど僕お爺ちゃんの杖しか武器持ってないんだよね………
RPGの魔法使いは後衛ってのは通じないみたいです。