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「強盗団と戦ってみたのかっ!」
宿泊している場所で僕は包帯を巻かれながら話をしていた。
「女強盗団って感じだったよ。見た目に油断したらこんな事になったけれど。」
僕の傷口は何故か結構早く治りかけている。この星の影響なのかは判らない。
「見た目って事は凄い美女なんだな?俺も見てみたいわ~」
同じ宿泊している人達がそんな事を言っているが、負傷したのは子どもみたいのであったとは言い辛い程周囲が盛り上がってしまい僕は黙ってしまった。
「そうそう、クリスタルの話って知ってる?」
僕に包帯を巻き終えた彩希がみんなに向かって聞いてみた。
「クリスタルってあれだろ?4つ集めたら何かがおきるらしい、あれって言い伝え以外で見たことないなぁ。」
一人の屈強そうな男が言っていたが、
「シャザールの城主が持っていた筈だ。後は行方は誰も解らない。ただ、俺はこのスタシスの街にあるらしいって事で聞いているぜ。」
真っ黒な甲冑を着たグループの一人がそんな事を言い出した。
「俺はクリスタルには怖くて集めたいとは思わないけどな!そんな、何がおきるのかも判らないってモノ…」
確かに良いことばかりでもなさそうな雰囲気でもある。
「細かい話はあまり知らないけれど、この島から出たらクリスタルは引き戻ってしまうらしいぜ。」
先ず、ここが島なのを初めて知ったよ。
「知らなかったのか?ここの島はサングレアルと云う国名であり、島の名前でもあるんだぞ!」
モスグリーンの甲冑を着たグループの人をが教えてくれた。
「まだシャザールからスタシス迄しか歩いた事が無いから。」
僕は正直に話をした。実際大袈裟な嘘をつく必要も無いし。
「怪我の治りがなんか早いね。あまり気にしないで、治ったら私達は強盗団にクリスタルの話を伺いにいきましょう!」
いくみがナイフを研磨しながらまとめてきた。