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「こんな場所で逢うなんか、私も感慨深いね!」
鍾乳洞の中で聞き覚えのある軽い口調の声が響いた。
「その声はヤマガク!」
僕は声の方向を見ながら叫んだ。未だに姿は確認できず…
「キラー君、全然向いている場所が違うぞ!不意討ちしようかと考えたけれど、そこまで酷いと私も悪くて出来ないよ!」
エメラルドの鎧のキザなヤマガクが後ろから姿を魅せた。
「キラーがそっちを向いたから私も真似しちゃったし!」
いくみが連られて見ていたらしい。
「やぁ!君達は相変わらずだね、普通敵が居たら戦闘態勢とか入るのが普通でしょ!いつも通りの空気間で流石だよ。ヒツバーがキラー君の事を気にしてたぜ!」
笑いながら剣をスッと見せてきた。
「一応私は今は金塊があるのかを探りに来ただけで、君達の言う雑魚の皆さんも3人しか連れていないからね。姿を見せた時点で私も戦うつもりは無いよ。旧知の仲って事で、少しだけここの世間的に云われる強盗団の事を特別に教えてあげよう。」
ヤマガクが強盗団の事をやはり知っているのだと、思いながら黙って聞いている。
「先ず、君達は誰を知っているかは私の知る由も無いが…リーダーはオオチマイだ。女性だね。」
ヤマガクのいきなりの情報に、彩希が、
「女の強盗団なの?それで、あの女達がいろいろ動いているわけね。」
ヤマガクとの会話に続きを促す様な雰囲気を出している。
「君達の遭遇した女性の強盗団の一味が誰かは聞かないが、私も攻撃されてね……あまり、女性を殺すのは本意では無いのだけれど1人死んでもらったよ。名前は知らないけれど、小肥りだったな。」
知らない強盗団のメンバーだな。
「それで、有名な金塊の話だが……この情報っていろいろ調べると解るのだが、強盗団が洞窟に入ってからの情報だと判った。」
僕には話の筋が解らない。
「つまり、この洞窟での金塊情報は強盗団が造ったデマって事ね!」
えっ!そのままの流れで彩希が対応しているけれど、そんな話になってるの?
「そうなんだ!流石、理解が早くて私も説明が長引かなくて良かったよ。つまり、強盗団は金塊のネタをエサに洞窟に入らせて、そいつらから金品を奪う遣り方な訳さ。」
ヤマガクがそこまで言うと、
「よく、出来ました。」
今度はまた違う方向から声と拍手が響いた。