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シャザール城を出てきていよいよ地下ダンジョンへの入口に向かう。
地下ダンジョンの入口とか言うと暗い様な感じしか無いのだが、実際に見たらまるで違った。
テーマパークの様な装いなのは想定外。入口周辺はお店だらけで物凄い人の密集。
「これからダンジョンに向かう訳だからみんなここで装備を整えたり、食事をしたりできる。帰りもここに出てくる訳だから当然ここが一番賑わうんだ。」
水泡蘭先生は普通の事の案内しかしてくれてはいない。
「もし、敵が出たらどうすればいいのですか??」
僕は今更みたいな質問をしてしまった。
「そうだな、まずここではたいした敵は出ない。特に1階では冒険者は基本的に素通りになる位の場所だ。敵が出たら教えるから敵に向かって斬りつければいい。桃はスリングだから思いきりぶつければ大丈夫。キラーは魔法使いだから分からないけど、なんとか魔法が出たらいいな!」
魔法出ないって!!
入口前で受付がある。ここに人数とメンバーを記入するシステムになっているんだ。思っていた場所と数段違うけれど入口横に病院がある。結構身が引き締まる思いだ。
入場口が狭いのは外敵が出てこない様に作ったとの事で、1階から5階迄は電気も点いているらしいから真っ暗ではないらしい。
「いよいよ入るが、地下ダンジョンは冒険者を狙った強盗も出てくる。冒険者同士だが、基本的に挨拶をして、武器をお互いしまいなるべく離れて素通りする様に。もし、攻撃されたり不審な行動をしたらお互い戦闘になってしまう。これが最悪の時だが、あくまでルールだから、注意する事。」
と、本当に向かうんだって気持ちになってきた。