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こんな事言ったら嘘になるかも知れないけど、自分はもっとなんでもできると思っていた。

それが仕事をしてもたいしたこと無くて40を過ぎるって…


(あきら)バツ1子ども無し、仕事は先日辞めた。

実家に戻り仕事を探そうとした2日後に今まで経験したことがない事件に巻き込まれた。いや、これは巻き込まれたのか引き込まれたのか分からない。



夜の23時に寝たのは記憶にある。

兎に角目覚めたら知らないオッサンが高価そうなしっかりしたテーブルと椅子に腕を組みながら僕を見ていた。

「いらっしゃい」

見知らぬオッサンが挨拶してきたけれど、先ず自分が今何処にいるのか?を知りたくて挨拶の返事もできず、

「ここは何処?貴方は誰?」

って昭和かっ!みたいなツッコミが入りそうな返答をしてしまう。

オッサンはまばたきもせずに低温の渋い声で、

「ここはサングレアル。君は選ばれた。」

「サングレアル?競走馬で知ってるけど、地名なのか??それよりも何を選ばれたの?ってよりもどうやってここに………」


一気にいろいろ聞いているうちに、夢かってとりあえず小説や漫画のように自分で納得させていかそうとしている。早く目が覚めないかな?みたいな感じに…

目の前のオッサンが、

「残念ながらここが現実。そして君が選ばれたのは暇だろ?」

図星だけど露骨じゃないか?更に話が続く。

「君の他にもかなりの暇な人々をこのサングレアルに来てもらったのだが、理由は1つ悪魔を倒して欲しい。」



やっぱり夢だわ。悪魔倒すってゲームの世界でファンタジーでしょう?よし!平和の為にとか悪いけどセリフ出ないし、思わず苦笑いしてしまった。夢じゃなきゃドッキリだなと……


更にオッサンの話は続く。

寧ろ話ってよりも説明みたいな感じに。

オッサンはどうやら影みたいな存在らしくて悪魔に攻撃をする事はできないらしい。あくまでも自分の頭の中で把握できたのはそのような立場の人らしいって事位で後は僕がこのあとどうすればいいのか?

「訓練の為に訓練場がある。そこで教官であり長官でもある者達がノウハウを教えてくれる。あとは実践だな。」

「実践?いきなり悪魔なんかと闘えって…」

遮るように、

「最初は悪魔なんかいない場所で練習してもらうよ。なにしろ悪魔はかなりの数だから。そして今まで悪魔を倒したのは1体のみだ。」


「ちょっと待って!そんなのこの僕が倒せるわけないじゃん!ケンカだってしたこと無いんだよ!無理だ!!」

当たり前だけれども否定しかできない。夢じゃないのなら早く帰らさせてくれとしか思えない。

「残念ながらここに来たら帰る事はできない。私は影だから出入りができるけれど、生身(なまみ)の君を連れてはいけない。」

結論から言えば強制的に連れて来られて、帰らせてもらえなくなりましたって事か。頭の中で考えても何もできないからやむを得ず話を納得するしかなかった。


「で、僕はどうすればいい?1人で戦えじゃないでしょ?」

と、無難な応えを切り返すと、

「先程言った訓練場に行ってもらう事にするよ。勿論1人で戦う訳ではないのだが、行動するのに100人とかで向かっても歩けない場所だ。君が昨日1日中やっていた様なダンジョンがある。説明を省きやすいからダンジョンRPGをやっていたりするのは便利なんだよ。」

珍しくニヤリと笑いやがった。一応感情はあるらしい。


「それでは君が何をやりたいのか?それに伴い訓練しないといけないからな。」

RPGで言う職業みたいなやつか…今、無職なのに無職って言っても笑ってくれないだろうからなぁ………



「魔法使いになります!」


きっぱり言ってやった。

あのオッサンがびっくりしてたけど何故??

「魔法使いと言われたのは今回が初めてだ。戦士みたいな攻撃的なスキルを選んでる人しかみたこと無いから私も動揺した。」

普通に魔法使いって選ばないか?ハリーポッターみたいな感じに…それで可愛い女の子と一緒にみたいな。

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