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八百万  作者: マー・TY
第一章
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8.親睦の話

「今日屋上で食うのか?」


「うん。私の兄が一緒に食べようって」


「アオのお兄さん!?」


「うん。私、双子なんだ」


「マジで!?」


「楽しみーーー!!」


 昼休みが始まって数分。

 アオを先頭に、シロ、ニコ、コユの4人が屋上へ続く階段を上っていた。

 昨日カイに誘われ、アオは友人達を連れて屋上で一緒に食べることにした。

 アオとしては、自分の友達をいつかはカイに紹介したいと思っていた。

 それに、カイの友人も来るようなので、彼らとも仲良くしたいとも思っているが、少し緊張していた。

 気づけば、屋上に出る扉の前に立っていた。


「あたしが通ってた中学って屋上立ち入り禁止だったけど、ここはホントに良いわけ?」


「あっ……確かに。いいのかな?私、前に立ち入っちゃったけど……。……とりあえず、行こう」


 アオは扉を開けた。

 コユの疑問で弱気になったのか、動作がゆっくりだった。


「おっ!来た来た!お~~~~い!」


 聞き覚えのある声がした。

 コンクリート製のゴツゴツした床に、カイ、トウ、ショウが座り、食事をしていた。


「カイ!……あ、こんにちは」


 見知らぬ男子2人に、アオはお辞儀をした。

 するとそれが合図になってか、各々喋り出した。


「あ!トウだ~~♡」


「げっ!なんでニコが………!?」


「えーーーーー!?あれってアオちゃんだよなぁ!?あの美少女って噂の!」


「えっ!?びっ……!?」


「海老?」


「あぁ!あれが俺の妹のアオだ!」

 

「えーーーーーーー!?って、その右にいんのはコユーーーーーー!?」


「……あー、アンタパシリのショウ」


「そ、それに、左にいんのは、もしかしてあの最強って噂のシロ!?どーーーなってんだーーーー!?」


「トウーーーー!!!」


「お前!やめろ!抱きつくな!!」


 屋上が一気に騒がしくなった。

 シロは訳もわからずこの状況を見ていたが、ついに限界が来た。


「うるせェ!!!一旦黙れテメェらァ!!!!」


 シロの一喝で、場は治まった。




 7人は互いに自己紹介をしたあと、コユが司会になって食べながら話し始めた。


「それじゃあ、今さっきに騒動でいろいろよく解らなかったから、整理していきましょう。まず、ニコとトウの関係性から」


 ニコはトウの隣に座り、幸せそうにしている。

 憂鬱だと言わんばかりの雰囲気で、トウは説明しだした。


「幼馴染みなんだ。俺とニコは」


「へぇ。これはまた偶然ね」


「ラブラブだな~w」


「ぶっ飛ばすぞショウ」


「お前ら付き合ってんのか?」


「付き合ってねぇよ。コイツが一方的なんだよ。こんなにベタベタされていい迷惑だ」


「そんなこと言ってーー!トウ、ニコのこと好きでしょーーー!?」


「全然」


「がーーーーーーーん!!!」


「付き合えこの野郎!!!ニコちゃんが可哀想だろーーーー!!!!」


「俺の気持ちは無視かよ……」


「そういえばショウ、お前コユのこと知ってんのか?」


「え?………あ、あぁ」


 話題がコユとショウの関係に移る。

 ギクリとショウの体が震えた。


「あー、コイツあたしと中学一緒なの」


「へぇ~。コユちゃん、ショウ君と仲良かったの?」


「いや?全然。コイツ中学じゃお調子者っていうか……。なんかスクールカースト上位層の奴らにペコペコしててさぁ。マリたちはパシリに使ってたわ」


「パシリ…………」


「お前そんな小者だったのな」


「う、うるせぇ!!そうやって身を守ってたっつーか……て、ていうか上位層のお前が言うなぁ---!!」


「上位層とパシリの関係ってか」


「中学じゃそうだったけど高校じゃそうは行かないぞ!!俺には仲間ができたからな!!」


「俺たちを盾にしてるだけじゃね?」


「お前さてはアオちゃんをパシリにしてるな!?許さねぇぞ!!」


 ショウはすっかり錯乱している。

 ショウのその発言でトウは呆れ、シロは少しショウを睨んだ。


「コユちゃんはそんなことしないよ!」


「そう。もうそういうのはやめたの。マリたちとは縁切ったし」


「え…?」


「とはいえ、アンタには謝らないとね。ごめんね。嫌な思いさせて」


「い……いや、別にいいよもう!ていうかお前にパシリにされたことないぞ俺!なんでお前が謝るんだよ!」


「アンタメチャクチャあたしのこと責め立ててたクセに」


「あ、あれはマリたちの印象が強かったから……!」


「まぁ、もうこの件は終わりで良くね?なっ?コユ、ショウ」


「そうね」


 コユとショウの話題は、カイが間に入って終わらせた。


「そ、そういうことなら、俺からもあるぞ!アオちゃん!シロと仲良いのか!?」


「え?うん」


 今度はシロとアオについての話題になった。

 トウは話を聞きつつも、先程からシロを警戒している。


「コイツが本当にシロなのか?白フードの」


「あぁ。間違いねぇよ」


「………シロ君、有名人なの?」


「俺に聞くなよ」


 シロは気にすることなく食事を続ける。


「………あのー、アオちゃん?その、シロ君って喧嘩強かったりする?」


「うん。強いよ。1人で10人くらい倒しちゃうくらい。私、入学式の日に助けてもらって、それから友達になってくれたんだ。嬉しかったよ」


「あたしも驚いたわ~。まさかあのシロと友達になるなんて。ねぇ?ニコ」


「うん!シロ優しいよー!」


「うるせぇなぁ………」


 シロは居心地が悪そうだ。


「アオが信じられる奴だっただけだ。。今まで俺に近づいてくる奴らは、俺を後ろ盾に使うようなのばっかだったからな。だがあの時はコイツ、自分より俺を優先した」


「誰かが痛い思いをするのを見るのは嫌だったから……」


「お前ちょっとは自分を大事にしろや」


「ごめん……。ところで、シロ君って有名人なの?」


「そりゃぁもう………」


 コユたちは、シロに纏わる噂をアオに教え始めた。


「シロって、中学じゃ裏番だったって話よ」


「1人で同時に20人近く倒したとかな」


「ヤクザとやりあったって噂だぜ」


「へ……へぇ………」


 アオはまじまじとシロを見る。


「そうなの?」


「お前簡単に詐欺に遭いそうだな」


「どういう意味!?」


「アオとシロの友情は解ったけど、やっぱ気になるのはアオとカイよね」


「俺?」


 コユが話題をアオとカイについての関係に移した。


「アオって双子だったのね。カイ普通にイケメンだし、兄妹揃ってモテそう」


 アオの顔が紅潮した。


「まぁな。アオは内気だからさぁ、みんな、よろしく頼むぜ!」


「もちろん」


「いいよ!」


「そうするか」


「俺になんでも言ってくれ!」


「任せろ。俺の初めてのダチだからな」


 5人の中でも、シロは特に強くカイの頼みに応えた。


「みんな………ありがとう」


「よし!今日から俺たち友達だな!楽しく行こうぜ!!」


 カイの言葉に、みんなが頷く。

 7人の親睦が深まった。 

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