1話
うーん、ここはどこだろうか?
辺りを見回しても暗くてよく見えない。
前をよく見たら道があるようだ。
そうだ、僕は確か封印されたんだった。
なんだかとても眠っていたような感じだ。
僕の名前はアイテル、いきなりだがこの世界には創造神がいる。
創造神はある時気付いたら生まれたようで、この世界を作ったと言っていた。
創造神以外にもこの世界には神がいる。
例えば僕だ。
僕が生まれたのは創造神のかなりあとだ。
僕は破壊神として、ある時いきなり誕生した。
僕以外にも神はいるけれど、あまり覚えていない。
と、言っても僕は生まれてすぐに魔人を作った。
そしたら、魔王が誕生して、魔人を率いて色々な種族に攻撃を仕掛けてしまった。
魔人は他の種族よりも優れているせいか、プライドが高く、すぐに喧嘩を売ってしまった。
これは、僕が何も考えずに作ったせいでもあるんだけれど、少し呆れてしまった。
僕は魔人達に崇められているたせいで、僕も魔人達の仲間と思われてしまったのだ。
そのせいで創造神や他の種族から攻撃を仕掛けられて創造神に封印されてしまった。
僕は破壊に特化しているため、結構良い勝負ができたんだけど、やはり数の差で勝つことができなかった。
そんな僕は封印から解けたようだ。
ひとまずはこの暗い所から出るかな。
「うわぁ、暗くてよく見えないな。
てか、辺り苔生えてるし、どれくらい封印されていたのかな?」
僕はそんなことを考えながら歩いていると、門らしき物が見えてきた。
その門を開けると、明るい日差しが差し込んで来た。
どうやら外に出れたようだ。
少し歩いて、扉の方を振り向いた。
僕が封印されていたのは小さな山みたいなところで、扉も土を塗って何も無いように見せかけている。
どうやらこれで誰も入れないようにしたようだ。
それにしても、見渡す限り平原が広がっていて、何処へ行ったらいいか正直わからない。
この世界には魔物がいる。
しかし、一匹も見かけないどころか気配すらない。
妙だけど、いま考えても仕方ないか。
「とりあえず少し走ってみるかな」
僕が駆け出すと周りの景色はすぐに変わり、生き物の気配がした。
近付いてみると、魔物の咆哮らしき声が聞こえた。
気配がどんどん集まっいる。
どうやら、さっきの魔物が呼んだみたいだ。
戦っているのは5人で、男が3人、女性が2人のようだ。
戦っている魔物はデカく、力がありそうな見た目だ。
お互い牽制しあって動きづらいみたいだ。
それに人の方は怪我をしているように見える。
これは、僕も参加した方がいいのかな。
僕は魔物に近づいて指先で魔力の塊をぶつけた。
魔物の腹には大きな風穴が開き、そのまま倒れて力尽きた。
5人は僕を呆然とした顔で見たあと、武器を構えた。
どうやら警戒してしまっているようだ。
「すまない、手こずっているように見えたから加勢したんだが…必要無かったかな?」
僕がそう言うと、相手のリーダーらしき人が悩んだ。
そのあと「すまない」と言って頭を下げた。
どうやら、かなり礼儀正しい人のようだ。
そんな事よりも、早くこの場を離れるように言わないといけないな。
魔物が集まってきてしまう。
「急いでこの場を離れた方がいいよ?
さっきの魔物の咆哮で魔物達が集まってきているようだし。」
「そ、そうなのか?
なら、話は後だ。
直ぐにこの場を離れよう。」
僕は運が良いみたいだ。
すぐに人を見つける事が出来たし、恩も売る事ができた。
とりあえずの目標は人間と同じような生活を送ってみることかな。
僕はそう思いながら5人についていった。