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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

夏、思春期

作者: うぃすあ
掲載日:2017/09/22

超短編創作BLです

雰囲気で楽しんでいただければと思います



篠宮(しのみや) 康(こう)

周りの女子に魅力を感じず、1度も興奮で勃ったことがない男子高校生。もちろん男が好きという訳でもない。


上城(わいじょう) 辰冴(しんご)

康のクラスメイトで親友。康と同じく女子に興味がない様子。





俺は人を好きになったことがない


「じゃーん」

したり顔で出された画面には着替え中の女子の写真が映っていた


「なんだよそれ!後で送れ!」

「お前ナニに使う気だよw俺にも!」

「うるせぇお前もじゃねーか!」


騒いでいるクラスメイトを

いつも理解できない


「おい康〜これやばくね?」

出されたのは1枚の写真だった

1番かわいいとか言われてる女の


「…何が?」

「この笑顔!アングルといい超タイミングよくね?自分で神かと思った」


「なんだよ俺にも見せろ!送れよ!」

周りの奴らの視線が集まる


(何がいいのかわかんねーブスじゃん)


今までかわいいと思う人に会ったことがない

大体はデブかブス


「康!次体育じゃね?着替え行こ?」

そういう輪にいないのは辰冴も同じだった


そして次の時間は体育

着替えるには更衣室に行かなければいけない

混むと面倒なのでいつも早めに行くのだ


「あーそうだった。行くか」




…


「お前彼女いたことある?」

「え?どうしたの急にw」


辰冴は驚いたように笑った

こんな話したこともない


「いや別に気になっただけ。どうなの」

「んー微妙」


思わぬ返答に驚いた


「は?微妙って何」

「中2ん時、1回告られてそのまま付き合ったけどすぐ別れた。」

「どこまでした?」

「なんもwそもそも好きじゃなかったし、楽しくもなんともなかった。3日で別れたしw」

そう聞いて少し安心した


俺も告られたことは結構ある

結果付き合ったことはないけど


「てか俺、今まで好きな人とかできたことなかったんだよね」

「わかる。俺も」


俺だけじゃない


何がいいんだかわからない

何がしたいのかも



…


「ほら見ろ、めっちゃ揺れてる」

男共が体育で騒ぐのはいつものこと

男女で分かれてはいるが、同じ空間での授業である


「ちょっと男子何見てんの!!」

甲高い声が響く


こんなアホなことを毎回やってるのだ


「なぁ康、あいつデカくね??」

そして毎回俺に話を振ってくる

どうでもいい


「ただのデブじゃん」


そう言った瞬間そいつの目が変わった

「おまっ、おっぱいだぞ!?男のロマンだろ!!まさか尻派?それか脚派?」

「わかったからうるせーよ。何派でもないわ」

「ほんと何なら興奮すんだよ〜やっぱゲイ?」

「バカかお前」


いつも言われる

ブスに興味ないだけでゲイ?


確かにそういう話をしたことはないけど

普通に芸能人でかわいいと思うのはいるし、好きなのもいる

決して男が好きな訳でもない


でも、何かに興奮して勃ったことはない

ずっと、たまに起こる生理現象だと思ってた


これ病気…?


いやそんなことはない

と言い聞かせる


周りにブスしかいないせい



…


今日の授業はサッカーだった

当然終わればまた着替えに行く


「あっちー…」


体育の日に限って暑い、夏はいつも暑いけど

運動は嫌いじゃない、でも夏は汗をかくから嫌いだ


「今日超暑かったよねー汗やべぇ」

そう言って辰冴は汗拭きシートを取り出した


首から胸、腹から腰へと伝う

その光景が、何故か目に止まった


奥まで届かせるため伸ばされる襟元、捲り上がる裾、その都度見える肌が、



「使う?」



暑さに火照った頬



汗で湿った髪




にっと笑う




「ッ!!」


瞬間の違和感


皮膚がそこへ引っ張られるような

血液が集まって熱くなるような


まさか勃っ…


バシッ


「うわっ!」

辰冴は驚いたような顔をした


俺は差し出された手を払って、着替えも気にせず更衣室を抜け出してしまったのだ


突発的に出ていったため行き場もない

仕方なくトイレへ入った


(嘘だろ…)


確認するまでもない

確かにソレは勃っていた


初めての感覚だった


(俺ってマジでゲイ?いや今まで全然そんなことなかったし…)


混乱した、ただただ困惑した

初めて勃った奴が友人だなんて、しかも男


“使う?”


あの時の声、顔、姿が思い浮かんだ

それまで何を考えてたんだっけ


考えれば考えるほど熱くなるのを感じた

ソレだけじゃない、顔が

顔が火照っている


(意味わかんねぇ。何だよこれ…)


何を考えようと次の授業がある

このままで出られるはずもなかった


処理しなければ


(早く出さねーと…)


したことがない訳じゃない

勃った時はいつもしていることだ


それなのに

何かが違う


気持ちいい


今まで気持ちいいというのがわからなかった

スッキリするというのは納得できた


快感を知らなかった


「っ、ん、…くっ」


恥ずかしい

何で、こんな


あの時のあいつが思い浮かぶ


(無理、むり、むり、むり…)


やめろ

思い出すなと何度念じても離れない


思いとは裏腹に快感が増していく


(マジで…こんなん最悪…)


申し訳ない気持ちになっていく

まるで辱められているような感覚が襲った


(気持ちいい…っ)


「し、んっ…ッ!」


イってしまった

こんな快感は初めてだった


すぐに疲労感と虚無感、罪悪感でぐちゃぐちゃになった


自分がわからなくなってしまった



最後に口から出た言葉は、



キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴り響く


(…行かねーと)


まだ何もわからないまま



夏はやっぱり嫌いだ




読んでくださりありがとうございました!

こういう甘酸っぱい感じも好きです笑


この2人の小説は他にもあるので、よかったら覗いてみてください〜

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