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西暦2130年3月16日 神党特別養成学校 卒業式


「ーーであり、我々はこれから、人類を守るためにその力を振るいます。卒業生代表 双星シュウ。」


そう言って、僕は壇上から降りた。

これから、遂にあの憎い化け物を殲滅できるのだと思うと、心に使命感が沸き上がってきた。それは、他の生徒も同じであるようだ。皆の顔が凛々しくなっている。ただ一人を除いて。


僕は卒業生代表を務めた。つまり、この学校における成績がよかったからだ。もちろん、僕はそんなものでは満足せず、毎日自分の力を研鑽してきた。でも、僕は決して1番にはなれなかった。では誰が頂点に立ち続けていたのか。それは、今僕の横で眠りこけているこのクソヤロウーー僕の双子の兄、双星ケイだ。


天才。そんな言葉が似合うのはこいつしかいないと思う。ケイは学校にほとんどいない。なぜならもう戦線に立っているからだ。


ケイのことを話す前にまず日本の現状を話そうと思う。


2100年に大天使が地上に降りて来てから、キリスト教徒は地獄を味わった。大天使のラッパを聞いたキリスト教徒達は奴らに操られ、その約半数が獣化させられた。


獣化とは生ける屍、つまりゾンビや、その他様々な化け物に変化させられることだ。噛みつかれて増えるなど、映画のようなことにはならなかったが、生命力が高く簡単には倒れない。よって30年経った今でも動き続けている化け物の方が多いのだ。


日本は比較的キリスト教徒が少なかったため、化け物を全滅させることができた。しかし、アメリカなどの欧米では惨劇が起こってしまった。


現在国家として存続しているのはアジアの国々と、アフリカの一部のみとなってしまった。アフリカは欧米に近く、化け物の侵攻が早かったために大陸の北から75%ほどやられてしまった。


そんな中、日本で神党を信仰し2100年の男の声を聞いた人々が動き始めたのだ。

大天使や化け物への対策を打ち出した人々、それはキリスト教以外の宗教のトップであった。


日本は、ひっそりと九十九神に力を借りることを受け継いできた神党。


東南アジアは仏を目指して修行積むことを受け継いできた仏教。


中東は唯一神アラーに忠誠を誓い、力を得るイスラム教。


各宗教がそれぞれの神に力を得て、化け物に対抗を始めた。その一貫として設立されたのが神党特別養成学校である。

入学は16歳から、卒業は3年後となる。


そこでは、まず人間の心を基本とする霊力の修行や、肉体訓練、その他様々な訓練を経て卒業となる。


そして、卒業式の最後に、自分と相性のよい九十九神と契約を果たし、戦闘のための力を得るのである。


ここで話を戻す。ケイは理由は定かではないが、12歳の時、既に九十九神と契約を終えてしまっていた。本来なら霊力が足りず、九十九神を呼び出すこともできないはずなのに。弟の僕でも分からないのだ。いつか聞き出そうとは思っているが。


よってケイは16歳で学校に入る時には、もう海を渡って侵攻してくる化け物と戦う戦線に入っていたのだ。当然訓練なぞ受けずとも能力は覚醒しきっているため、僕は足元にも及ばなかった。


しかも顔もいい。当然モテる。ーームカつく。

僕はケイが嫌いだ。





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