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とあるイベントNPCの見る世界  作者: 鷹野メツ
第一章【始まりの町レクサスとポーション騒動】
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初めてのダウン

ピピピピピピpバシンッ


「うーん……」


今日もいつもと同じで、目覚ましを叩いて起床、しようとしたのですが、


「頭痛い……」


頭痛がするのとダルいのとで、再びベットへダウン。


「ま、まさか……熱?」



どうやら、熱を出したようです。







私達の家族は体が凄く丈夫で、今まで病気になったり、大怪我をしたりということがなかった。まあそりゃあ、一応知識として、どういうのが風邪で、どういうのが熱だって言うのは知ってるんだけど。


つまり言い換えると、病気になったときとか、大怪我をしたときの知識が無いんだよね。


元冒険者のお父さんや、現役の冒険者であるミツ姉は、応急手当ぐらいは知っていると言ってたけど、大怪我したときの手当てなんかは、したことが無いから流石に知らないらしい。……まあ、そのぐらいの怪我をしたら、もう死ぬしかないっていうのもあるらしいんだけど。


だから、熱を出した娘もしくは妹に対する知識なんか無いわけで。




「ナツリム!だ、大丈夫か?!」

「ナツリム!あああこ、これ食べて!あ、いやこっちの方がいい?!」

「ポ、ポーションでなんとかならないかしら……!いやここは回復魔法?!シェーラは何処?!」

「俺ちょっと畑行って探してくる!」

「うわああああんナツ姉えええええ!!」



おいおいおいちょっと待て、待ってくれ、いや待ってください。



まずお父さん。大丈夫だから少し落ち着いて。声が大きすぎて頭に響くんだけど。部屋の中ウロウロ動きまわってるから、足音もドスンドスン煩いし、ベッドが揺れてて物凄く気持ちが悪いです。


次、レイ兄。弱っているときはパワーが出るやつがいいとか考えてそれ作ってくれたんだろうけど、喉痛いし気持ち悪いしで、そんな油ギッシュな肉料理なんて食べれないよ。それに今なんか暑いのに寒くて、アイスなんてちょっと食べれそうにないよ。


それで次、ミツ姉。ポーションはもう試したよ。毒消しとかも試したよ。全然効かなかったけど。だから、ポーションとおんなじ効果しかない回復魔法は意味ないと思う。だからシェーラさん?をこんなことで呼ばないであげてください。


えっと次、ロイ兄。畑で何を探してくるっていうのだ。畑には野菜と薬草しか無かった筈なんだけど。ポーションはもともと、薬草の効果を高めつつ飲みやすくしたものだから、ただの薬草にポーション以外の回復力は無いんだけど……。出ていってくれたので少しホッとしたけど、出ていくときドアを勢いよく閉めないで欲しい。お父さんの叫び声より頭に響いたよ。


そしてルーベンス。あんたが一番煩い。甲高い声で叫ばないでお父さんより頭に響く。ああもう手を握らないでよ耳も塞げないじゃない。あーもう、




全体としての感想

お願いだから静かにしてよ!



と言うようなことを言ったら、皆いっせいに静かになってくれた。

ふう。なんかまだダルいけど、少し楽になった気がする。




別に皆、悪気があった訳じゃないんだよね。

心配だったから、っていうのは、ちゃんと分かってる。

でももうちょっと、冷静に考えて行動して欲しかったなあ、なんて。



……あれ、なんか眠いや。

ふあ……少し寝るね……。おやすみなさい……。

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