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とあるイベントNPCの見る世界  作者: 鷹野メツ
第一章【始まりの町レクサスとポーション騒動】
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異邦人登場

異邦人さん達がやって来たらしい。

私も街の皆も話せるようになっていたから、すぐ分かった。


異邦人って、どんな人たちなんだろう。今すぐ見に行きたかったけど、我慢我慢。

私には店番という、立派なお仕事があるのだ!

……まあでも、店番は店の奥にいなきゃいけない、なーんて決まりは無いし?

ちょっと外を覗くぐらいは、いいよね?







うっぷ、気持ち悪い。

どうやら、人酔いというものを体験してしまったらしい。

目の前を通り過ぎる人の波。

まさに人、人、人ってなもんで、思わず「うわあああ!!」って叫んじゃったよ!!

しかも、異邦人さん達が来て話せるようになっていたから、何事かと近くにいた人がこっちを見てきた。ものすっごく恥ずかしかったね。



















「こんにちは!下級HPポーション十個下さいな!」

「あ、はい!十個で1000リグになります!どうぞ!」


さて、店の奥に引っ込んで、数分後。

さっそく、異邦人さんが私のお店に来た。私のお店は、所謂道具屋だ。ポーションからいろいろな素材、各種作業セットだってあるんだから!在庫数なら多分町一番さ!


……でも、何でか知らないけど、異邦人さん達には下級しか売っちゃいけないんだって。町の人にはそれ以上のもの、例えば上級とかだって売ってるのに、何でなんだろう。けちってるのかな?



ボーッとしてると、不意に目の前に影が。大きい人だなあ。

……あれ?なーんか店内が煩いぞ?

大きな人の影から店内を覗いて見る。

…えええええええええ。嘘でしょ?

お客さん、いーっぱい。

……どうやら、休憩の時間は終わりのようです。

在庫足りるかな……。

ちょっと心配になってきた。






多分最後のお客さん(異邦人)を笑顔で見送って、一息。

……異邦人さん達が来てから、なんだかのびのびできている気がする。話すこと以外にも、いろいろ何かが変わっているみたいだ。

前は、こんなにいろいろ考えられなかったし……。異邦人さん達が来たことと、何か関係があるのかな?







暇になったので、少し、私の家族のことについて考えてみる。

…パッと思い浮かんだのが家族のことって、私、人との交流少ない……?




まずは、お父さんのレオナルド。元冒険者で、現在は畑仕事でお金を稼いでたり、ポーション素材を畑で育ててくれている。

元ってつくのは、別に冒険者を辞めたわけじゃなくて、それ以外のことでお金を稼いだりして生活してるからなんだって。 だから、たまに指名依頼を受けてたりするんだ。

お父さん、これでも昔は二つ名がついたくらい強かったんだって!詳しいことは、なぜか教えてくれないけど。



次に、長女のミツラム。現役の冒険者で、家族の中じゃ最強で最凶。魔物の素材とか、いろいろと取ってきてくれている。あとは換金してお金稼ぎとかも。

二つ名は『爆水神』。由来は、水の属性の魔法剣士だからって言ってたんだけど……。こんな二つ名をつけられるなんて、ミツ姉、どんな戦い方してるんだろう……。



その次は、長男のレイモンド。料理が上手で、家事はなんでもできる主夫さん。ご近所付き合いが豊富で、いろいろなことを知っている。

冒険者にはミツ姉がなるからって言って、冒険者ギルドとか、そういうところには滅多に行かないんだけど……正直、レイ兄は実は冒険者なんじゃないかと密かに思っている。沢山の冒険者を見た私のカンが、そう囁いてくるのだ。



そのまた次は次男のロイナード。お父さんの畑を継ごうと日々勉強中。あ、あとミツ姉から剣術も習っていたり。

でもまだ全然ダメダメらしくて、冒険者はまだ名乗っていない。素質はあるって、ミツ姉は言っていたから、いずれは冒険者になるんだろう。



最後に、弟のルーベンス。一番下だからか妙に不器用で、家でゴロゴロしてる。……今後に期待したいところだけど、大丈夫かなあ?

姉心としては、冒険者になって活躍して欲しいなーとか思うけど(もちろん、死なないぐらい強くなってからね)、私と一緒に店番もいいなあ。だって、ルーベンスまで冒険者になっちゃったら、私だけ仲間はずれだし(私の中ではレイ兄は冒険者確定だ)。……そうなったら、私も冒険者、目指してみようかな?








……こうして整理すると、今やっていることとかの見て分かることは知っているけど、誕生日とか、好きなものとか、実は全然知らないことに気がついた。

やっぱり、会話とかしないと、ダメダメなんだなあって、思ったり。うん、コミュニケーションは偉大だ。今度いろいろ聞いてみようっと。






ちなみに、私はナツリム。ここ【始まりの町 レクサス】の道具屋の看板娘。特技は器用さを生かしたポーション作りで、戦闘もそこそこかな。しっかりもので、笑顔が眩しいぴっちぴちの美少女だよ!……なーんて、全部自称なんだけどね。





「すいませーん」

「はーい!今行きます!」


おっと、お客さんだ。考えるのは一旦おしまい!お仕事頑張らなきゃね!

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