久しぶり?の登場です
ど、どどどうしよう?!
ついさっきまであったのにっていう困惑と、誰がこんなことをっていう怒りと、せっかくいろんな人に協力して貰ったりしたのにっていう申し訳なさとで、頭の中がごちゃごちゃだった。
誰かに助けて貰いたいんだけど、何から話せばいいのか分からない。
そもそも、誰に話したらいいのか分からない。泣きそうだった。
「おやナツちゃん、どうしたんだい?」
そんなときに、声をかけられた。
お父さんや家族の皆とも違う、聞きなれた優しい声。
メイおばさんが、道具屋の前で買い物帰りなのか袋を持って立っていた。
気がついたら私は泣きながら、メイおばさんに体当たりのように抱きついていた。
「そうかい、そんなことがあったのかい」
私は、少し話したいことがあるからと、店内に入ってもらった。
そしてメイおばさんに、王都まで薬草を買いに行ったけど、それが無くなったことを話した。
あのとき声をかけてくれて、とてもありがたかった。お父さん達には、多分こんなことすらすらと話せなかっただろうから。
今回のことにあまり関わってない、第三者のような存在の人でなきゃ駄目だったんだと思う。
メイおばさんは話を静かに聞いている間、ずっと優しい笑顔のままだった。……ただ、それは怒ってないというわけじゃないと思うけど。多分今、怒り心頭だと思う……。
理由は、さきほどからずっと頭を撫でてくれている手に力が入ったのがわかったからだ。うう、少し痛いです…。
っていう思いが伝わったのか、パッと手を離して立ち上がるメイおばさん。
もっと一緒にいてほしかったんだけど、メイおばさんにも仕事があるし、あまり長く引き止めるのもいけないよね。
椅子から立ち上がって、店の外に出る。
メイおばさんはささっと荷物を元通りに持ち直して、私に向かってにっこり笑いかけた。
「じゃあ、おばさんはもう行くね」
「はい、話聞いてくれてありがとうございました!」
「いいさいいさ。ああそうだ、この件については私が皆に呼びかけて聞き込みなりなんなりしてもらうから、すぐに犯人は見つかるさ」
「助かります。迷惑かけちゃって、ごめんなさい」
「大丈夫大丈夫。じゃあね、今日はちゃんと休むんだよ!」
「はい!」
メイおばさんは宿屋の方へ帰っていった。
メイおばさんありがとう。今、感謝でいっぱいです。
メイおばさんに話したことで気が楽になった私は、とりあえず畑に向かうことにした。
メイおばさんにまかせっきりじゃあ駄目だからね。
私が気をつけてなかったせいでもあるんだし、犯人探し頑張らないと。
まずはお父さんに報告、犯人を捜すのになにが出来るか相談して、その後は今日は休もう。今日はもう疲れたよ。
出来ることなら今回協力してくれた人に謝りたいけど、皆優しい人だし、謝らなくていいよとか言われそうだなあ。メイおばさんにも言われちゃったし。
まあとにかく、謝ったり、他になにかしたりするのは、明日からでも遅くはない……よね?うん。