夜明け×空中の激闘=難易度最大編突入?
現状を説明すると、私木原ヒロシは
白い翼を生やした右腕が西洋槍の美少女と
黒い翼を生やして、大弓を構えて一戦交えてます
厨二臭せぇwww
なんだこれwww
当の本人の一人である俺がびっくりだよwww
誰か、誰か助けてwww
心の中ではそんな事を思っていても
実際は、余裕など見せれば、一瞬で風穴空けられる訳で
距離を取りながらも弓を引いて光の矢を飛ばす俺と
一撃で決着を着ける為、矢を避けながら西洋槍を突き出すソラ
俺達の闘いは、壮絶を極めていた
実際、押されていたのは俺だ
理由は至極単純、能力の差だ
相手は自分の体を変えて戦う
つまりは、変えた武器や装備、能力は自分の意のままに扱える
対して俺は、した事も無い弓道を真似て放つ弓に
現実では到底ありえない翼を生やしての移動
正直、さっきから若干酔ってる
そんな状態で戦えば、差が出るのも当然である
「・・・状況は貴方が不利、諦めて投降すれば命だけは無事、保証する」
「まだだ!まだやれる!」
すんません、結構ガタ来てますww
そろそろ吐くwww
グルグル回って行われる空中戦は
いつも乗り物酔いで隣の人に敬遠されまくってる俺にとって
拷問に等しい物だった
「オラァ!」
かと言って、まだユイ達の無事には時間が必要だ
確実に逃がす為には、ここでどうしてもこの娘だけは抑えるしかない!
俺は、矢を五本右手に持ち
弓に掛け、強く引っ張ってソラに狙いを定める
さっきも言った通り、酔いに弱く、動きも覚束無い俺の空中飛行から
当てられる可能性は低いが・・・
「数撃って当たれってんだ!」
無茶苦茶な叫びと同時に放たれた弓矢は
数本明後日の方向に飛びながらも
運良く、一本はソラの体に向かって飛ぶ
「(よし!)」
俺の喜びとは裏腹に
ソラは何の気もなく、自分に向かって飛ぶ矢を西洋槍で払い落とす
おいおいマジかよ、どんな動体視力してんだ!?
流石に万事休すか・・・
ソラは一気に俺に近付き、西洋槍の右腕を曲げて引く
だが、幾ら俺でも、黙って刺されるほど諦めは良くない!
今まさに俺の体に突き刺さろうとしている槍に対し
左腕に咄嗟に生み出した円盤型の盾のような物に手をつける
すると、円盤の盾の装飾である宝玉が開き
中の歯車のからくりが動き出す
一気に間合いを詰めて、彼に一撃を与えようとしていた
一応手加減をして、急所は外すつもりではいる
何故なら、ここで死んだ者は永久に現世には帰れないからだ
私はそれを知っている
ユイだって、それを知っている筈
なのに、彼女は無茶ばかりをする
王国に居れば、死亡確率は急激に下がるのに
更に言えば、王国の兵士ともなれば、世界の情報も得る事が出来る
でも、だからこそ
私は、ユイ達と共に歩んで生きたい
ユイ達と一緒に、戦ってここから現実に帰りたい
だから、私は止める
もうこれ以上、彼女達に危険な目に遭って欲しくない
「・・・っ!?」
何が起きたのか分からなかった
彼を刺そうとした時だった
刺される前に彼が触れた円盤型の盾は
回転すると同時に、中の機械が作動し
そこまで見た瞬間、私の意識は一瞬途絶えた
そして、何故か
槍を避け、私の心臓に弓を構える
彼の姿が見えた
相変わらず思う・・・
ほ○ほむってチートじゃね?
ソラちゃんびっくりしてるよ?
なんでこうなったのって、言わんばかりに
目を丸くして、信じられない物を見るかのように見てるよ
そりゃそっすよね
時間を・・・止めたんだから
しかし、止めたのは盾に触れていない物だけで
盾を装備し、時を止めた俺は動けるという
時間操作・・・これって絶対勝てないよね
「・・・一体何を?」
「それが分かった所で、この状況を変える事は出来ないでしょ」
実際、西洋槍・・・ランスのリーチは
最大の長所であり、短所でもあった
長いリーチは、遠い敵にも一気に距離を詰め、正確な一撃で相手を仕留める事が出来るが
その反面、避けられれば、長さ故に大きな隙を作る
つまり、俺の勝ちは絶対に揺るがない
勝利を確信し、しばらく眠って貰おうと頭で考えていると
彼女の能力を俺は忘れていた
そう、彼女の能力は・・・
「・・・変形」
長い槍を変形させ、日本刀の様な曲がった刃に変えると
そのまま、俺に目掛けて振る
「ちょおおおおお!!!」
頭を後ろに反り、刀は俺の目の前を通り過ぎる
あっぶねぇ!後一秒でも判断が遅れれば
最悪、首から上がおさらばしていたぞ
「・・・まだよ、まだこれから」
ソラさん、そんなに敵意向けないで
可愛らしい見た目なのに、非常に恐怖を覚えちゃうから
「畜生・・・なんでこんな事に・・・」
とは言うが、ユイ達も無事に逃げたっぽいし
俺の任務はこれにて終了、後はこの娘をまくだけなんだが
「あっ!あんな所に空飛ぶきゅうりの上に乗ってるカッパとザビエルがぁ!」
「えっ?」
ソラたんwww
そっち向いちゃうんすかwww
可愛いっすねwww
仮に向いてもwww
頭にお皿乗せたような生き物が胡瓜に跨ってるだけなのにwww
と、彼女に対し爆笑しながら、トンズラかまそうとした瞬間
ソラが驚きながら声を微かに挙げる
「・・・何、アレ」
ハイ?ホントに居たの?
空飛ぶ胡瓜に乗ったカッパとザビエルが?
俺もソラの向いた方に顔を向けると
そこには、俺をここに呼んだ張本人が
巨大な立体映像として姿を現していた
その頃・・・
ヒロシ以外のメンバーは
無事、ギルドへと帰還していた
「ふう、なんとか逃げ切れたわね」
「ユイ、アイツだけ残して良かったのか?」
マオの言葉に、ユイは汗を拭いながら答える
「大丈夫よ、ヒロシ君は変な奴だけど、実力も未知数で常識外れな人だから」
「ふ~ん、そこまで信頼出来る奴なのか」
「まあね」
「ただいま」
二人の下に帰ってきたカオリが現れる
「おかえり」
「おかえり、カオリなんだありゃ」
「ふふ、ちょっとした余興よ」
「(あれがちょっとした、か・・・俺なら絶対出来ないな)」
若干気落ちしながら、マオはカオリを見ていると
次の瞬間、驚くべき事態が起きた
オペレーションルームの部屋のドアが開き
三人は他のメンバーが無事帰還したと思っていた
しかし・・・その期待は瞬間に破壊される
「ユ・・・イ」
「っ!?ハヤマ君!」
入って来たメンバーの数人は、部屋に入った瞬間
大量の傷と流されたであろう出血によって、その場に倒れた
「どうしたの!?食料確保に狩りに行ってこうなったの!?」
「・・・すまねぇ」
おかしい、ユイは焦っていた
本来、この時期に
メンバーが苦戦するような魔獣は出ない筈だ
例え出たとしても、メンバーの殆どが出動して
ほぼ全員が怪我を負って帰ってくるという事はありえない事だった
焦って考えるユイ、その矢先に
いつも作戦内容の提示に使うスクリーンが勝手に動き出し
部屋の電気が消え、スクリーンに映像が映りだす
そこには、この世界に人間を連れてきた者が映っていた
そこには、見慣れた気持ち悪い顔のデブが映っていた
「あ~こほんこほん、え~諸君、ごきげんよう」
咳払いをして、ありきたりな挨拶を済ませる男
それは、ヒロシをこの世界に送り込んだ神であった
「ふむ、今回君達にとって非常に重大な事を説明しに来たよ」
なんだ?また訳の分からないアニメネタでも披露するつもりか?
「今から、この世界の難易度をマックスまで引き上げたいと思いま~す♪」
「・・・は?」
難易度? 何それ?
「急な話でね、参戦する世界を急速に完成させなきゃいけない事になったんだ」
「ってことは、ここから出られるのか?」
「その声はヒロシ君かな、それはちょっと違うよ?」
どういう事なんだ?
「今ね、ボクチンここに来た現世の皆に声が聞こえるようにしてあるんだけどさ・・・」
そこで、神は俺達にとって究極に最悪な事を言い出した
「簡単に言えば、みんなには死んで欲しいんだよね」
「・・・は?」
二度目の台詞、デジャビュ?
「あのさ、今までの世界の難易度?それがみんなでも簡単に生きれるようにしといたんだけどさ~?幾ら経っても皆帰ってこないし、むしろ死ぬ奴の方が多かったからさ~?どうせなら新しい世界作って適当に参戦しちゃおうかなって思っちゃってね?でもね、そんな事したらこの世界に取り残された君達の処理が正直面倒くさいんだよね~、だからさ、皆にはゲームオーバーっていう形で、この世界で勝手に消えて貰っちゃおうかなって、神ちゃん思いついちゃった訳♪」
一息間を空け、再度喋りだす神
「だから、今まで楽だった難易度を最大まで上げて、今まで残っている生存者の皆に綺麗に散って貰おうと思うの♪」
きゃは、と
大柄な体型に似合わない不気味な声を挙げて気色悪いぶりっ子ポーズを取る神
そして最後に、絶望に等しい言葉を投げつける
「だからさ?皆には悪いけど、ここでお陀仏して頂戴~♪」
そう、今の話を聞いて
俺達の異世界生活は、互いの生存を掛けた
地獄へと変化した・・・




