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洞窟と伝説

成り上がりです。


どこかの国に仕えてワイワイやっていきますよ。



力をもらうまでちょっと時間がかかります。

「ギュルァァ!」

「なっ…ワ、ワイバーンだと!?」

「ひ、怯むな!魔術用意!……ってぇー!」



-広い洞窟内に魔獣の雄叫びと指示を出す声が木霊する。


複数人により巨大化された炎はすべてを焼き尽くさんと小型の翼竜種、ワイバーンに襲いかかる。


ボォォン!


魔術は大きな音をたて魔獣に直撃した。


さしもの竜の眷族であるワイバーンもこれには耐えきれず絶命した。


どうっと横倒れになったワイバーンはすぐに魔力へと還り、死体は消滅した。


莫大な魔力を使って倒した魔獣が一瞬で消え去ったというのに誰も不思議がる者はいない。それというのも、これは魔に属するモノには必ず起こる現象で、魔族は絶命すると身体を構成していた魔力が制御を離れて大気中に霧散するのである。


それはちょうどモノが燃え尽きて灰になり風飛ばされていく様子に似ていた。


これが『魔力へ還る』という現象である。



「ふう…なんとかなったか…」


「まぁとりあえずは…しかし隊長、たった数回地下に降りただけですでに翼竜種が出るんですぜ?ちっとヤバくないですかい?」


肩をぽんっと叩いた筋骨粒々の男はルウム。


この調査団の騎士で、殿を任せられるほどの実力者である。

一方、隊長と呼ばれた男は細身で金髪碧眼、二十歳前後の端正な青年である。


彼は名をニウ。若き騎士である。


彼らはさる王国から派遣された調査団。


その調査の対象は、この洞窟の地下深くに隠されているという、強力な魔術書グリモワロッド、不思議な力をもつ古代魔術具ロストアイテム


魔術が発展したこの世界ではそうした道具は重要な戦力にも財にもなる。


そのため各地では、アイテムが隠されている洞窟や塔によく調査団を派遣する。


何故、洞窟や塔にそんな重要なアイテムがあるかは未だに解明されておらず、分かっているのは強力なアイテムがあるところほど深く、高くなっていて、より凶悪な魔獣が出現する、ということだけ。今、ニウらがいるこの洞窟もそんな不思議洞窟の一つで、王国の領地内はおろか世界中を見渡しても類を見ないほど広大な洞窟なのである。


過去この洞窟には何回もの調査団を送っていたが、未だ最下層にはたどり着いた者はいない。


そんな危険な場所にいるというのに調査団全体の士気は低くはなかった。


それというのもこの調査団が王直々に依頼された名誉ある任務であるということと、もう一つは…


「まぁ、普通ならな…だが我々には王国で名のある魔術師たち数十人がついている、なんとかなるさ」


数十人の魔術師がついている。

それがもう一つの理由であった。


魔術師というのは、赤、青、緑、土、光、闇の六系統からなる魔術を専門に扱う人のことを差す。


先ほど述べた、グリモワやロッドなどを用いて普通では有り得ない事象を生み出す。


だが逆に言うと、彼らは普通道具を用いないと魔術を行使することが出来ない。


しかしながら、それでも魔術師の力は絶大で洞窟内で生き抜くためには必要不可欠であった。


「そんなもんですかねぇ…ま、王国の任務なんだ、いまさら逃げられっこありませんしねぇ」


ルウムはあきらめたように、そう呟いた。


「そういってくれるな、ルウムの働きには期待しているんだ。意気消沈するな」


ニウは努めて明るく言うと、調査団に同行していた商人を呼び寄せた。


「はいはい、隊長殿。なんで御座いますか?」


そんな商人らしい決して大きくはないがよく響く声が洞窟の空気を振るわせた。

一見、普通の商人だが、よく見ると彼はまだまだ年若いことがわかった。


もしかすると、二十歳のニウよりも若いかも知れない。


「…君、年はいくつだ?」


隊長の急な質問に商人は小首を傾げながらもしっかりとした口調で答えた。


「僕は…十七になりました」


やはり、予想通り若かった。


ニウはさらに質問を続けた。


「そうか…なんでその年でこんな危険な仕事を?もっと良い仕事があるだろう?」


当然といえば当然の疑問だった。

調査団に追従する商人は強制ではない。


募集はしていたが決定は本人の自由意志にゆだねられていた。


つまりこの少年は自らこの危険な調査に同行したということになる。


隊長として少し気になったのだ。


少年は少し悩んだ後、こう答えた。


「僕はある魔術を探しているんです。何年か探しているんですが、いまだ見つかっていません。ここならあるいは…と思いましてね」


「なるほど。しかし君に魔術が使えるのかい?魔術は魔術学校に行かないとグリモワがあっても使えないだろう?」


「その点は大丈夫です、姉が魔術学校に通っていますので…」

「そうか…どんな魔術かしらないが…見つかるといいな」


「はい、ありがとうございます」


にこっと破顔一笑。

少年は隊長の言葉に純粋に喜んでいた。


「隊長、隊長、結局商人呼んだ理由ってなんなんですかい?」


ふとルウムが尋ねた。


「はっ、そうだ忘れていた!君、みなに酒を配ってくれないか?もちろん料金は国持ちで」


にっといじわるそうにニウは笑う。


「ははは、分かりました。そのまま皆さんに休憩にすると言っておきますね」


「ああ、頼む」


その言葉を聞き、少年は隊長の指示を待つ他の団員の元へと駆け出した。


そこで不安になったのかルウムが隊長に問いかけた。


「いいんですかい?隊長?そんなことして…」


「国に酒代を払わせることがか?かわまん、かわまん。こんな危険な調査をしているんだ、このくらいわけない」


「いや、そっちもそうですが…それよりもここで休むことが、です。危険じぁありません?」


心配げなルウムに対し、ニウは大丈夫と太鼓判を押した。


「それなら大丈夫、これまで過去の調査で階の数と魔獣の数は必ず比例するということが分かっている。その数ならもう倒したろう?それに君にはこれから活躍してもらわないといけないからな」


戦士には休息が必要なのさ、と笑うニウはとても頼りがいがあった。


「…ふぅ、適いませんねぇ、隊長には」そう溜め息をつくルウムは、嬉しそうに、酒盛りをしている団員の輪の中へ向かう隊長の背を追って走って行った。






☆★☆★☆★☆★☆

…暇だな。


もう此処で我がすることも無くなったな。


研究を始めて数百年か。


この洞窟も、もういらぬな。


後は然るべき者に我が研究の成果を譲り、役立てもらうとしよう。


我はそのまま世界を巡ろう。


ふははは、楽しみだな。






☆★☆★☆★☆★☆


彼の名はエリアという。


年は十七。


背はひょろりと長く、キリッと凛々しい端正な顔立ちをしている。


さる禁術を求め、商人の格好をして探し回っていた。


今回はかなり危険だと分かっていたが、それでも目的のために自ら追従商人として立候補した。

過去の調査団の生存率がとても低いことも分かっていたが、それでも構わなかった。あの魔術が手にはいるなら。



調査は命を懸けた冒険になった。



今、彼ら調査団は地下十二階にいる。


この洞窟は地下に行くたびに狭くなっていく。


最初は大の大人十数人が並んで難なく通れるほど広大であったのが、今ではその半分以外ほどになっている。


脇には幾つもの小部屋があり、その中には貴重なアイテムがあったり、罠がかかってたり様々である。


調査の性質上アイテムがあるかも知れないと分かっていて、入らない訳にはいかず、細心の注意を払っていても犠牲は免れ無かった。


魔術師や騎士、医療師など当初は二十人いた団員も、今では魔術師二人、ニウ、ルウム、エリアの五人だけとなってしまっていた。


五人は数々の小部屋の罠と魔獣を越え、ついに最後の扉についた。


ここまで分かれ道など無かったから、文字通りここが終着点である。


「ついにここまできたか…」


万感の思いをこめ、ニウが呟いた。


その目元は、これまで倒れていった仲間達を忍んでか、一筋の涙が流れていた。


「隊長…」


誰とも無く声が漏れた。


みな、口に出さなくても同じ思いを持っていた。


しばし、感傷的なムードが流れた。


数分じっとしていると、ニウは自分が何のためにここにいるかを思い出し、扉を開ける決心した。


「みな、準備は、いいか?」


ニウは全員を見回した後、言った。


「はい!」


問われたルウムらは口々に応えた。


それを確認したニウは、うんっと一つ頷くと扉に手をかけた。


そして。


洞窟最後の扉は、開かれた-






☆★☆★☆★☆★☆


扉を開けると、そこは豪華な『部屋』だった。


中央には大きく華美なテーブルが鎮座する。


その両脇には、貴族の部屋にもかくやと、言うほどフカフカそうな高級ソファーが鎮座している。


その他、この部屋を形成する全ての調度品が豪奢だった。

あまりに唐突だったためニウ達はここが洞窟である、ということを一瞬忘れてしまった。


「な、なんなんだこの部屋は…?」


「これは…逆に不気味ですね…」


ニウの脇から顔を出し、『部屋』内を見回したエリアが眉をひそめて呟いた。



「しかし…人の気配がねぇな」


辺りを見回したルウムがひとりごちた。

「確かに、これだけのモノが使われてないってコトもないでしょう。…手分けして探して見ませんか?」


魔術師が提案する。


「それは人を、か?それても財宝を、か?」


ニウは発言した魔術師に問うた。


「両方を、です。じっとしていても仕方ないでしょう?」


「ふ、む…」


腕を組み悩むニウ。

「いいじゃないですか、この部屋が広いといっても、端から端まで数秒です。敵がいても何とかなりますって」


そう言うとルウムはニウの返事を聞かず、歩きだした。


「あ…はぁ、ま、いいか」


ニウが嘆息する。


どうやら他のメンバーも思い思いの場所を調べているようだ。


「仕方ない…行くか」


ニウは誰も手を付けていなかったテーブルへ向かった。


五人はそのまま調査を続けた。


それから-三十分。


一時間。



「ふぅ…隊長!そっちなんかありましたか!?」


タンスを一通り調べ終え、ルウムが大声で聞く。


「いや何もだ!他の皆は?」


「ありませんねぇ」

「ありません!」

「ないです!」


魔術師、エリアも応える。


「うぅむ、ここまで探して何もないとは………ん?」


不意に、ニウはこの部屋の空気が変わったことに気がついた。


しかし他のメンバーは気がついていないようだった。


(気のせい…か?)

そう思うことにして、ニウが再び作業に戻ろうとした…



その時。



部屋にあった一切のモノが、消えた。


何の前触れもなく。

それは一瞬。

あれだけ豪華だった部屋は、洞窟らしい岩肌を露出し、扉だけが一つぽつんとある無骨な空間となってしまっていた。


「な!?」


「こ、これは一体…」


「信じらんない…今までのは幻想だったのか…?」


あまりの出来事に動揺する。


だがその混乱状態も長くは続かない。


「はは、クハハハハハハハ!!」


大きな哄笑が広い空間に響き渡る。


全員が驚き、声がした方を急いで振り向いた。


「何者だ!」


ニウの鋭い声が飛ぶ。

そこにはローブで体を覆った不気味な人物が宙に浮いていた。

ニウ以外、異様なこの光景に唖然としている。


「ん~?我か?我はなぁ、この洞窟の創始者にして、主。ミヤビだ」


「…ミヤビ、だと?百年前、魔族との大戦争で魔王を倒した伝説の魔術師!?」


「おぉ、よく知っているじゃないか…懐かしいことだ」


「そんな…百年まえのことだ生きているハズが…」


「我は転生するのだ。この体はこの世界で三人目だ」


皆、唖然としている。


魔術師の話すことが途方も無さ過ぎて、真偽の判断がつかないのだ。


「さて、汝らは我が洞窟の最奥までたどり着いた…その褒美をやろうじゃないか!」


叫ぶその声は歓喜に満ちていた。


誰かが何かを発するより早く、魔術師はルウムの頭に手を置いた。


「!!」


ルウムの顔に一瞬の恐怖が浮かぶ。


魔術師が動いたようには見えなかった。

だが、まばたきをするほどの短い時間が過ぎたころにはもう彼はルウムの頭に手を置いていた。


「《我が名に従い、その姿を表せ》」


魔術師の手が光り、ルウムに膨大な魔力が送り込まれた。


「ぁああっ!!」


「ルウム!」


ルウムの悲痛な叫び声に反応したのはニウだ。


「ち、もう終いか…汝には入りきらぬようだ」


そう言うと魔術師は次はニウの目の前に移動した。


先ほどと変わらず、目にも止まらぬ速さであった。


「汝は…どうかな?」


再び光る魔術師の右手。


「ひ…やめ………あぁ!」


ばたり。


他の者もルウムと同じように倒れていき、ニウもまた倒れ付した。


「隊長!」


スッ、そんな音が聞こえたような気がして、エリアは急いで顔を向けた。


「さて、汝で最後か…汝は、力を望むか?」




魔術師はエリアに問うた。


「力を、くれるのか?あなたの行っていることは一体何なんだ?」


「これか?これは我の研究成果を与えてやろうとしているだけだ。汝ら人間が欲しがるモノだろう?」


欲しいなら、耐えて見せろ。


「ーーーー!!」


「ほう?耐えるじゃないか…」


魔術師はそう言うとさらに手に力を込める。


すると光は強くなっていき、ついには部屋全体を眩い光で覆うようになった。


エリアにとって無限とも思える時間。


それは膨大な量の情報と魔力だった。


エリアという器にどんどんと流れていく。


時間にしてみれば数分。


ようやく光は収まり、エリアにとっての地獄が幕をおろした。


「~~~~~っ」


体力は限界まで消費され、エリアは口を開ける事さえ叶わず、何を言おうとしたのか、外に出るのは音なき声だけ。


「はははっ!素晴らしい!よくぞ耐え切った!これで我もまた好きなことが出来る。ふはははーはっはっは!……む?どうした?おい、しっかりしろ、おい!おーい………



魔術師が何事か話す声をBGMにエリアは力付き、意識を手放していった…。






★☆★☆★☆★☆★


ここは、一体何処なんだろうか?


白い、白い、何もない。


足が地についていない…


海の中でたゆたっているような…


母の母胎でうずくまっているような…


なんか、凄く安心する。


このままじっとして。


何もかも忘れて。


何もせず、ただただ身を任せ。


あぁ…気持ちいい…


『エリア』


ん…僕を呼ぶ声がする。


面倒だな。


『エリア、起きろ』


そんなコト言われても…


気力が湧かない。


『ちっ、《エリア、起きろ》』


!!?


今、僕を呼ぶ声が一段低くなったと思ったら、次の瞬間には体が起きていた。


僕の意志じゃあない。


体が強制的に動かされたとでも言うのか。


『何者だ?』


『やっとお目覚めか…世話をかけさせる。我だ、覚えているか?』


この威圧感…


あの魔術師か…


『ここは何処だ?』


『うむ?意外に冷静じゃないか…ここか?ここは汝の意識空間…精神世界だ』


『…僕に何をした?いや、何がしたいんだ?』


精神世界…


聞いたこともないがこいつなら出来なくもなさそうだ。


『ふふ、信じるのか。頭がいいのだな』


『質問に答えてくれ』


『そう急かすな。どうせこの世界で時は流れない。じっくり話合おうじゃないか…』


時が流れない?



本当にそんなコトが出来るのか。


全く、荒唐無稽だ。


『さて、汝に何をしたか…だったか?あの手をかざしたのはな。汝に我が研究成果を読み込ませていたのだ』


『研究成果?』


『ああ、そう。あの洞窟て我は魔法の研究を行っていたのだ。汝には全て渡せたからな、凄いぞ?この世界には敵がいないかも知れん』


『は?何を言って…』

僕が、最強?


『嘘じゃない。しかもこの世界にはまだない魔法だ。どうだ試しに使ってみては?』


この世界にはまだない?


まるで他の世界があるかのような、口ぶりだが…


………いや…そんなことはないか。言葉のあやだろう。


それと、魔術師は魔法を使え、なんていっていたが。


『僕は魔法は使えないんだ』


そう。僕は魔法が使えない。


『なに。心配ない。そら、手を前に付き出して…インディグ二ションと唱えてみろ』


少々怪しい話だけど、まぁ出来なくてもともと。


失敗して何が起きるわけでもないだろう。


それなりに期待を込めて僕は魔術師の指示通り腕を前に付き出した。


魔術師に向けて。


『ちょ…汝…』


『《インディグ二ション》』


ジリッバリバリバリ!!


す、凄い!


呪文を唱えた途端、一瞬腕が光り、魔術師の身体は轟音をあげてうなる雷に灼かれていた。


『こんな魔術、見たことない…』


『…汝は意外と度胸あるな』


急に後ろから声がした。


振り返ると雷にやられたはずの魔術師が立っていた。


魔術師のかぶるローブには気ず一つ無かった。


『あれ?無傷…』


『…汝は喧嘩売ってんのか?』


『やだな。そんなコトないですよ。魔術試すなら目標があった方がいいじゃないですか』


『それはそうだが…』


『結果無傷だったんだからいいでしょう?』


『はぁ…もういい』


そう言って魔術師が、がくーっと脱力する。


『それよりも僕が使える魔術についてもっと教えて下さい』


『…ふ、良いだろう。汝が使える魔術は今のところ三つだ。インデグ二ション、ザ・ワールド、キュア』


『インデグ二ションは分かりましたが他の二つの魔術はどういう効果があるんですか?』


『ザ・ワールドは九秒間、時を止める。キュアは自然治癒力を高め、あらゆるバッドステータスを治す』


『時を!?……てゆうかバッドステータス?』


『簡単に言えば、毒とかだ。使用者が異常だと思う全ての状態を治すのだ』


『それは凄い…。ザ・ワールドっていう魔術といい、キュアといい本当に出来るなら世界の常識の範疇を軽く超越しますよ…』


『そうだろう、そうだろう?これ創るの苦労したのだ。一番簡単だったインデグ二ションにしてもこの世界に電気系なんてないしな』


『…あぁそういえばこれ研究成果なんですよね。創ったって…流石は伝説の魔術師。半端じゃないですね…』


『はははっ!なんだ、今更か!最初に自己紹介したじゃないか』


『信じられ無かったんですよ。何百年も前の"伝説"なんですから』


『信じてない、と本人の前で言うとは。ふはは。素直なヤツだ!そういうものか!』


『はい』


『ふふふはは。おもしろいな。そうだ。この際だ、もっと強くなろうじゃないか』


『もっと?』


『うむ。精霊でも呼んで契約させよう。相手の魔術が効かなくなるぞ?』


『そんな、また。精霊なんて本当にいるんですか?』


精霊。

魔術の呪文の詠唱にその名がよく出てくる。


火の精霊、水の精霊、土の精霊、風の精霊。


その昔、人間に魔術を教えたのだとか。

今、現在その姿は確認されていない。


『あぁ。いる。四大精霊ちまちま呼ぶのもダルい。精霊王でも呼ぼうかと思ってるのだが』


『もう、何がなんだか…。どうやって契約するんですか?』


『うむ、あやつを倒すのだ』


『…は?』


『は?じゃない。汝が、精霊の王を、ここで、倒すのだ』


『ムリ!…じゃないかもしれませんね。あの魔術が自在に使えれば』


『自在も自在。自由自在だ。それによくある魔力切れ、なんてのもない。撃ち放題だ』


『…国が滅びますね』


『これから精霊倒せ更に上にいく』


『…』







はい。

パロディ魔法です。

テイルズとジョジョです。

好きなんです。


後はあまり出さない予定です。


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