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解決

 …朝がやってきました。

 

 

 幸い風邪の症状も落ち着きました。

 

 

 よかった!

 

 

 でも…風邪って、目がかゆくなるんですかね?

 

 ま、治ったからいっか。

 

 

 そんなこんなで、あと数週間で結婚式なんです。

 

 結婚式なんだけど…

 

 祥太さんは、いい人なんだよね?

 

 きっと…

 

 

 

 わからないままですが、とりあえずわたしは、みんなを信じていこうと思います。

 

 

 そして、仕事にも復帰してほぼほぼ問題ない生活に戻りつつあります。

 

 

 まぁ、相変わらず記憶は戻りませんが。

 

 

 大丈夫でしょう。

 

 

 前向きになり、新たな人生を開始して…いつのまにか、結婚式当日です‼︎

 

 

 当日は、五つ子の四人がみんな出席してくれる。

 

 

 そろそろ、控え室にみんなが来る。

 

 お母さんも…。

 

 

 どうしよう。

 

 名前の由来…聞いてみちゃう?

 

 

 …

 

 

 怖いけど…やっぱり気になるし、聞いちゃおうかな。

 

 

 …

 

 

 数分後、お母さんと四人がわたしの控え室に入ってきた。

 

 お父さんは、幼い頃に病気で他界している。

 

 

 みんながドアを開けるなり、わたしのウエディング姿を誉めてくれた。

 

 

 なんか、和むなぁ。

 

 今までも、こんな感じでみんなで集まっていたのかな…。

 

 

 それとも…わたしだけ名前違うし…今までは、孤立してたり…?

 

 

 …

 

 

 このまま、この空気を壊したくなかったけど、でも…やっぱりこのままじゃスッキリしない。

 

 

 聞いてみよう!

 

 わたしは、少し手汗をかいていたんだけれど、そのこぶしをぎゅっと握りしめて、

 

「あの…わたしの名前の由来って…」

 と、聞いてみた。

 

 

 すると、やっぱりみんなマ行だった。

 

 

 そして…わたしもムからはじまる予定だったのだそうだけど、いい名前が思いつかなくて、お母さんが好きな花の名前を選んでつけたそうな。

 

 

 みんなは、ずるいよねーって笑った。

 

 

 そっかー。

 

 聞いておいてよかったー。

 

 

 で…

 

 そろそろ式が始まるって言うのに、新郎の祥太さんは、式が始まるまでわたしとあわないで、ドレス姿を楽しみにしていると言う。

 

 

 …そういうこともあるんだね。

 

 

 でさ、そろそろ行こっかってなったときに、真実乃さんが、

「薬、薬飲んだ?今日は、絶対飲んだ方がいい」

 って言ってきたの。

 

 

「薬…?この薬って…」

 

「アレルギー対策だよ」

 

「アレルギー?」

 

「うん。とりあえず飲んでおいて損はない」

 

 その真実乃さんの言葉にみんながうなずいた。

 

 

 …

 

 アレルギーって…

 

 

 まさかわたし…祥太さんアレルギーなんじゃないよね?

 

 

 わからないけど、とりあえず飲んだ方がいいってみんなが言うから飲んで、会場へと向かった。

 

 会場に向かうと祥太さんが笑顔で迎え入れてくれた。

 

 その笑顔は、わたしを包み込むような優しい笑顔でした。

 

 

 式は、順調に進み…そろそろお開きってくらいになり、あぁもうおしまいか〜って思っていたら、いきなりの新郎である祥太さんからのサプライズがあるって言われたの。

 

 

 でもね…お母さんと四人のきょうだいは、さほど驚かなくて…むしろ知っていたっぽいのよ。

 

 

 どうやら…スペシャルゲストが現れるらしいんだけど…

 

 

 なぜか小さな箱が運ばれてきてね…

 

 

 祥太さんにあけてごらんって言われたの。 

 

 恐る恐るあけてみたら…なんとそこには、クロネコちゃんがいてね、ニャ〜ってわたしに向かってないたのよ。

 

 

 そしたら、ポロポロ涙が溢れてさ、全ての記憶が戻ったの。

 

 

 この子をわたし、助けようとして事故にあったんだ。

 

 

「祥太さん…この子どこに?」

 

「あー、それがなかなか見つからなくて、みんなでめっちゃ探したら、公園に住んでる野良ちゃんってわかってね。オレの部屋で保護してだんだ。桜子、喜ぶかなって思ってさ。ずっとこの子気にかけてたみたいだし」

 

 

「そういうことか‼︎みんなもありがとう」

 

 わたしが、猫ちゃんを抱きしめてお礼を述べると、祥太さんがこっちをみて、なにやら心配そうだった。

 

 

「どうしたの?」

「あ、薬必要かなって思って…」

 

 思い出しました。

 

 わたし、たしか猫アレルギーでね…。

 

 

 だから…薬ね。

 

「さっき飲んだから大丈夫だよ」

 

「そっか。ならよかった」

 

「うん」

 

 

 

 

 こうして無事、記憶も戻り今は祥太さんと猫と仲良く暮らしております。

 

 

 

 

 おしまい。

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