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大学4年生の夏休み、コンカフェに行った。

殴り書きでごめんなさい

人を好きになったのは何回目だったろう。


初めてのような気をするし何回もしてるような気もした。


だって何回経験してもこの気持ちは毎回新鮮で、苦しくて、ちょっと嬉しいのだから。


-------------------------------------------------------------------------------


東京から少し近い静岡に住んでいた自分は、友人に会いに三連休を利用して東京へ向けて車を走らせていた。


22歳にもなった大学4年生の夏は、新しいものに出会えないものかとワクワクしているような、ただただ消化しているようなしょうもなさを感じていた。


夕方から出発していた車は日の傾く少し前には友人の家に着いていた。


友人は高校からの友達で、クラスが一緒だったわけでもなく科も違うのになんでか仲良くなった友達。


何となくの話を交わして、ただ酒を飲んだ。


いつも通りでなんかそれを心地よく遊びに行く度に感じる。


大学生みたいな少し悪い飲み方をして、どうせ覚えてもないのに明日は何するか、なんて話をした。


土曜日、2人揃って昼過ぎに目が覚める。友達の住むアパートは壁が薄くって隣の部屋から聞こえる生活音で目が覚めるのもここに来たら恒例だった。


今から何すんの?…


とりあえず出かけたいかも


じゃあ俺の行きたいとこでいい?


どこよ?


秋葉


いいじゃん。そういえばメイド喫茶行ったことないから連れてってよ


あぁ、おけ。


その時の気分、話のノリでこれからの流れを決めるのは悪い癖だ。


でもそんな予定も立てないのが性格にもあっていて、一緒にいて楽だと感じるのかもしれない。


慣れない電車は友達に任せる。都会の電車は慌ただしくて、どうせ着くところは一緒なのに快速が…とか意味のわからない単語で乗り換えを多くさせられる。


これだけはどれだけ来ても慣れる気がしない。


祝日の東京の電車は海外からの観光客が多くって、人を観察するだけでも色々なことを考えられて楽しかった。


秋葉に着く。何となく急いで電車を降りて、日本で唯一列の概念が崩れるエスカレーターを突破して、改札を降りた。


人生2回目の秋葉はやっぱり何も分からなくて、少し見た事のある景色が安心感を与えた。


おもちゃ屋さんに入る。


どうやら友達はプラモデルが目的だったらしい。


自分は興味がなかったから正直あまり覚えていない。


お昼ご飯だって東京らしいものなんて食べる訳もなく、静岡にもあるファストフード店で済ました。


そろそろメイド喫茶行きたいんだけど。


じゃあキャッチの人、見に行くか。


あっ…うん。


どうやら秋葉という町はキャッチの街なのだろう。


決まった通りに行くと、色々な服装に身を飾った綺麗な女の人がチラシを持ちながら客集めをしていた。


ただ、条例で客引きは禁止されているからなのだろう。声はかけてこない。ただチラシを持っていて、近くにいくとお店に誘われた。


なんか可愛い人多いし、お店も多くてわからんな


まあね笑

正直こんなのピンと来た人のお店に行くもんじゃね?俺も二回目だし、ようわからん。


決まった通りを何周したんだろう。3周、いや5周はしたかもしれない。


その中で1人、すごく目を惹かれた人がいた。


彼女は他のキャッチと違って、人当たりは正直悪かった。愛想は悪いし、チラシを貰っても何も話さなかった。どうせ来ないのだろうと感じているように。


そんな態度だからなのだろうか、ただ秋葉という競争率が高いところだからだろうか。何周してもその子はビラ配りをしていた。


なあ、あの愛想の悪い子、めっちゃ気になるわ


いや俺も。行ってみるか。


そうだな


その子からビラをもう一度貰う。


やっぱり彼女は何も言わない。


お店、案内してほしいんだけど。


「ほんとに!?」


なぜかその子は泣いていた。



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