「魔王の命の価値」
「魔王の命の価値」
魔王は隠れ家の小島の崖の上で風に吹かれて、今後のことを、考えたいのか、考えたくないのか、そんな気分で遠くにある魔王城を魔法の目を使って、黄昏れるように眺めていた。
「俺の命は、なんでも願いが叶うという!それで、異世界から来た勇者達は、俺の命を狙う!」
そして、魔王は大魔王エドガーのことを思い出していた。
「大魔王エドガーをたおした勇者も、自分の欲にかられて、平和を愛するどころか、この世界は争いばかり」
そこへローザがきたのである。
「そうね!この世界は、自分の欲を叶えることばかりで、争いばかりね!とても悲しいわ!そんな欲のために父親は倒されてしまった」
魔王は怒りの顔になった。
「くそが、あの心優しい大魔王エドガー様が!」
「そうね!本当は私たちも魔族ではなかった。遠い遠い昔に、ある勇者が欲にかられて、私たち天使族を魔族に変えてしまった。人間の嫉妬とは怖いものね!そして、更なる願いは、私たち魔族になった天使を倒せば、なんでも願いが叶うという、世界の仕組みを作ってしまった。そして、今では、私たちが天使でいたことさせへ、もうこの世界では忘れ去られてしまったわ」
魔王は叫んだ
「なんでこんな世界を作りやがったんだ!俺は人間が嫌いだ!!俺たちはお前達の願いを叶えるための道具ではない!!」
ローザは魔王を優しく抱きしめたのである
「大丈夫よ!大地真琴!貴方はこの世界を変えてくれる魔王だと、わたしは信じてるわ」
「ありがとう!ローザ!俺は誰よりもローザを愛している」
つづく