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大いなる勘違い! ~私はド〇モショップから逃げ出したかった~

作者: ヤスゾー

こちらは、ひだまりのねこさま主催の企画『集まれエッセイ企画』に参加させていただいております。

 みなさん、こんにちは。

 最近、娘が携帯電話を買いました。

 毎日、娘はスマホにかじりついています。

 しかも、すでに操作方法がわかっているんですよね。

 いや~、さすがはZ世代。

 私が教える事は何もないわ。


 いや。

 一応、「個人情報の流出の危険性」について話しておこう。


 これこれ、娘よ。

 いいかい? 基本、ネットは顔出ししたり、住所や電話番号を教える行為は、犯罪に巻き込まれる可能性が……。


「は? 知っているわ」


 終了ー!!


 なんて冷たい一言。

 私は心配しているんだよ。

 でも、まあ、一日あった事をよく話してくれる子なので、トラブルがあったらすぐに教えてくれるでしょう。

 ……なーんて、放っておいたのですが。




 ある日のこと。


「IDとパスワードを入力したけど、ログイン出来ない」


 娘から相談が。

 IDとパスワード。

 まだ購入から日が経っていなかったので、すぐにdアカウントの事だと思いました。

 dアカウントとは、ド〇モが発行している本人認証用のIDの事です。


「ID、忘れたの?」

「忘れてない。でも、ログイン出来ないの」


 うむ。

 dアカウントの事なら、専門の人に聞いた方がいいだろう。

 私はド〇モショップを予約して、後日、うかがいました。


 その日は雨。

 駐車場は満車。

 仕方なく、少し離れた公共施設の駐車場に車を停め、足を濡らしながら、ド〇モショップに入店。

 スタッフに事情を説明すると、スタッフの方、さっそくdアカウントのIDとパスワードの入力画面を出します。


「念のため、もう一度、覚えているIDとパスワードを入力してみてください」


 娘、入力。

 問題なく、ログイン。


「なんだ。良かったね」


 家では誤入力していたのか?

 何にせよ、「何でもなかった」が一番。

 「じゃ、帰ろう」と思ったら、娘が思わぬ一言を漏らしました。


「いや、ここは大丈夫なの。私が言っているのは、これ」


 そう言って、画面を見せたのは。



 

 アニ〇イトのトップ画面!!




「……」


 ヤスゾー、一時、思考停止。

 へ。

 な、なに? 

 予約して、足を濡らしながら来店して、相談する内容が。


 アニ〇イトにログイン出来ない!!?


 そんなの、そんなの、


 ド〇モショップで聞く事じゃねえぇぇぇーーーーー!!!


「えっとですね……」


 見ろ。

 スタッフさん、困っているわ!


「とりあえず、ここのIDとパスワードを入力してみましょうか?」


 や、優しい!!

 対応してくれている!

 私なら、「帰れ」と言ってしまうところかもしれない。


「やっぱりログイン出来ない」


 娘、困り顔。

 スタッフさん、真剣にスマホを見ています。

 うん、優しいのは分かった。

 だから、「お帰りください」と言ってくれ。

 これ、あなた達の仕事じゃない。

 そんな真面目に取り組んでもらえると、こっちは帰るに帰れん。


「このアプリに登録したIDとパスワードを入力したんですよね?」


 スタッフさん、確認。

 すると、娘がとんでも発言。


「登録? してないです」


 うえっ!!?


「だって、さっきの(dアカウントのIDとパスワード)を使えば、全てのアプリに使えるんでしょう?」


 ちょ、ちょ、ちょっと待って。

 じゃあ、娘は……。


「あんた、登録してないアプリに、ログインしようとしているわけ!?」

「え!? 一つ一つ、登録しないといけないの?」


 キャーーーーーーーー!!!!

 恥ずかしい!!

 ここから今すぐ逃げ出したい!!


 全てのアプリに使えるIDとパスワード!!?

 すげえぇな!

 その発想はないわ!

 便利だけど、怖すぎるだろう!

 そんな情報化社会!


「あの、アプリは、それぞれ登録しなくてはいけないんですよ」


 も、もういいです!

 その後は、私が教えます。

 恥ずかしすぎて、ここにいられません!

 今すぐ、帰りてえぇぇぇ!!


「まあ、後は家でやっていただければと……」


 あ、思いが通じた。


 それから、私は何度も何度も頭を下げて、ショップを後にしました。

 娘はどこかスッキリ顔をしていましたが、私はグッタリ。



 

 Z世代を高く評価し過ぎていた。

 まあ、娘のスマホ画面も見ないで、勝手に「dアカウントの事だろう」と思い込んでしまった私もいけない。

 私も抜けているし、娘も抜けている。

 う~ん。

 だんだん心配になってきた。


「娘よ、この調子で個人情報を漏らしてないかい? 顔を見せてとか、住所教えてとか、聞かれて、うっかり書きこんで……」

「やってない! しつこい!!」


 やはり、冷たい一言が返ってきました。

 だから、私は心配して……(以下、略)


 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] まさかまさかの勘違い!!!! いやそんなスケルトンキーじゃあるめぇし!!!! むしろそれだけと怖いっす!!!! 盗まれでもしたら一発でアウトじゃん!!!!
[一言] 斜め上の展開すぎてむっちゃ面白かったです笑。 しかもよりなによってアニ◯イト……! 最近のお子さんはアニ◯イトのログイン画面を見られても動じないんですね。 こそこそとバレないようにオタ活して…
[一言] 集まれエッセイ企画より読ませていただきました。 恐るべしZ世代(笑)。 楽しいエッセイでした。 娘さんとのやりとりがもう素敵です。 すげー流石IT世代と思いきや・・・。 身近な日常の笑い…
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