父親の無理強い
母親のパンツを盗み、ばれて、怒られる。そんな生活が続いたある日、僕は5歳の誕生日を迎えた。
この国では、なぜか変な風習があるようだ。
その風習というのは、8歳になったら剣術や弓道どを勉強する学校へ行くというのが、この世界の風習のようだった。
しかし、僕には転生系のラノベでよくある”転生したら最強になった”系の才能が皆無なのだ。
まぁ、転生系のラノベの当たり前を知る由もない、父親は
「8歳になるまでに剣術の勉強をしておいたほうがいいだろう」
と言い張るばかりだった。
前世では剣術へのかかわりは、ゲームでしかやったことがなかった。
だが、剣術は意外に楽しいものだ。疲れられるし、とにかく父親の教え方が面白くて楽しいのだ。
しかし、母親は乗り気じゃないようだ。
「アロウサ!!そんなことをしてメリスノが大怪我をしたらどうするの!!」
そういっていつも、ぼくと父親の剣術の特訓の時間を邪魔してくる。そんな時は僕はいつも母を止めに入ろうと思うのだが、そういって母と父の言い合いに口を挟もうとすると、いつも
「メリスノは黙ってなさい!!」
と言い返してくる。なんでだろう、僕のことを気にかけて怒っているはずなのに、なぜ僕がいつも止めに入ると怒られるのだろうか。親心というものはどうしても理解できない。
そんなある日、父親が無理難題を出してきた。
「この、木を切ってみなさい」
さすがにこれは無理だ。生まれて5歳半の子供の腕力じゃ、到底無理だ。
「無理です!!お父様」
やっぱり反抗するときはこの言葉に限るなぁ。
「無理じゃないぞ。コツをつかめばいけるはずだ。」
この父親め!!5歳の腕力をなめてもらっちゃ困るぞ。それ、なんだぁコツってコツがあっても、腕力がなきゃむりっつーの。
どうしようかねぇ。困ったもんだ。