2 学校での変化
ちょっと用事でかけませんでした。
「てかさー、一葉大丈夫なわけ?」
「ん?なにが?」
「いや、何がって…そんな美少女になったら、あんた男子の標的の的だよ。」
「大丈夫。おれ男に興味ないので。合法で百合楽しむので。」
「一葉が興味なくても、無理やりやられる可能性だってその顔ならありえるよ。」
や、やばい、その可能性は考えてなかった。
俺とあの飢えた野獣たちが交わる…
オェ… 考えたくもない。
交わるならやっぱ女同士だよな!
「何1人でスッキリした顔してんの?」
「おっと、すまねぇ。ついついこの先のことを考えると、表情筋が緩んでしまって…」
「何考えてんだか… てか、学校には説明しなくていいの?」
「ふっふっふ、それは俺の母さんが済ませているのだよ。職員室には寄るけど。」
「なら、とりあえずは安心だね。いや、安心じゃねーよ」
確かに安心はできないんだよな…
絶対飢えた野獣共が俺を兎をとるハイエナのような目で見るんだ。怖い怖い。
「とりあえず今日は伊吹たちが固まってるグループあるだろ?あそこに入れてくれよ。頼む!」
「まぁ、何度も話したことあるだろうし、こっちは別に大丈夫だと思うけど…カバーしきれないところもあると思って行動してよね!」
「わかった。善処するよ。」
そして俺たちは着実に学校へと近づいていく。
気づけば校門は目の前。
周りからは視線、目線、気配とにかくすごい。
だが、今のところナンパなし。
「一葉、ちょっと注目されすぎじゃない?」
「うん。俺もかなり感じてることを言葉にしてくれてありがとう。」
なんか、こんだけ視線感じると寒気がしてくるな。
まだ夏なのに。
「とりあえず職員室には私も同行するよ。」
「本当か?ありがとな。正直俺1人だったら死ぬ自信あるから。」
「まぁ危ないしね。てかその俺っていうのやめれば?」
「た、確かに!」
「もう、完全な女の子なわけだし。」
「な、なら…その…私?」
どうだ渾身の可愛さでやってやったぞ。
どんな反応する?
「えっと…可愛いけど…中身一葉ってわかってるから、なんか、なんとも言えない虚無感に襲われた。」
あれ?思ってた反応と違うんだが?
「もっとさ、キャー!!可愛い!!(デレデレ)的な反応にはならないわけ?」
「うん、なんかごめん。」
「まぁ、いいけどさ。」
くそ、もっと可愛い!!って言われる予定だったんだが、これに関しては予想外。
俺たち2人で大量の視線を浴びながら職員室という安地へと向かう。
「なら、俺…じゃなかった。私報告してくる。」
「あ、うん、いってらっしゃい。」
職員室の白色の扉をコンコンコンッとノックし校長先生と担任のまつ部屋へと向かう。
その間。先生からの視線、、、、やばい。
部屋に入った後、校長先生と担任の向かい側に座った。
「えっと、話は聞いたが意味がわからない内容だったんだが、あれは事実なのか?」
担任の高波先生が少し困惑した表情で質問をしてきた。
「えぇ。事実ですけど正直自分でも何が起こっているのか全くわからないです。でも事実です。」
揺るぎない事実である。
「まぁ、あれだ。この後クラスの生徒たちには私と一緒に説明するぞ。」
「了解です。」
さぁ、クラスのみんなはどんな反応するかなぁ!
楽しみすぎて口角の上がり方が半端じゃないぜ!
この後俺と先生で教室に向かった。
職員室から俺たちの二年3組の教室は案外近いためそれほど向かうのに時間はかからない。
もう朝礼の始めを知らせるチャイムが響いた後。
俺と先生は少し遅れて教室に入ることになる。
「葉山。今から入るけど大丈夫か?一応心の準備とかいるんじゃないか?」
ふっふっふ。
今の俺は無敵と言っても過言じゃない。
心の準備など、朝洗面台でこの美しすぎる顔を見てからとうにできている!
「問題ありません!先生!」
「よし、なら入るぞ。」
俺と先生はガラガラっと教室の扉を開けて中に入り黒板の前に立った。
俺が入ってきた瞬間、伊吹以外の生徒は全員ザワザワしていた。
逆に伊吹はソワソワしてる。
状況は先生の方から伝えてくれるそうだ。
「えーっとみんな聞いてくれ。この女の子は転校生とかじゃなくてな。説明するとめんどいから簡単に言うとだな。葉山一葉だ。」
…
しばしの沈黙が教室を飲み込んでいる。
しかし途端にほとんどの人が「意味わかんない!」や「どゆこと?」と困惑している様子だ。
「まぁ葉山にも色々あったんだよ。だからこれから葉山は女の子な。みんなよろしくー」
俺の内心、軽ぅぅぅぅぅと思った。
軽すぎるやろ、いくらなんでも。
ま、まぁいいか。これからを考えて小さいことなんて気にしないようにしよう!
あー楽しみだなぁ!
「葉山からも何かいってくれ」
そうきたか。なら、たっぷりサービスしてやろーじゃないか。
「葉山一葉です!これからは女の子として生活するけどみんな優しくしてね!」
効果音にキャピキャピとつくレベルでアイドルかってぐらいキャピキャピしてやったぞ。
どーだかわいいだろ。サービスだ。
「「うぉぉぉぉぉ!!!!!!」」
俺の発言と同時にクラス男子全員の雄叫びが学校中に響き渡った。
「静かにしてくれみんなー」
先生が止めに入ったが、興奮状態の複数名はまだ鼻息を荒くしている。
「まぁそーゆーことなんで、これからも葉山をよろしくなー。1限始まるからちゃんと座っとけよー」
そう言って先生は教室を出て行った。
なら俺と席に座るか。
よかったわー伊吹の横で。
俺は伊吹の横の席に座った。
その瞬間クラスのほとんどの人が俺の席に群がった。
「おい、一葉!ほんとにお前かよ!」
今話しかけてきたのは俺の友達の渇気彰人だ。
こいつとは趣味が合うから伊吹と同じくらい仲がいいと言っても過言じゃないな。
「ほんとに俺…じゃない私だよ!」
「お前…心まで女になったんだな…」
「言っとくけど男は好きになれんからな。」
「俺はお前の趣味を十分に理解しているから安心しろ。今は野次もあるしまた後でな。」
「おう。」
その後俺は各々の質問に答えていった。
「一葉ちゃんってこれから呼ぶね!」や「一葉、なんでそーなった?」などなど。
1限の始まりのチャイムがなってくれたおかげで俺の質問攻め束縛タイムは解放された。
その後俺は休み時間になれば質問に答えてを繰り返していた。
「い、いぶ、き…た、助けてくれ…」
「しょうがないわね。」
そう言って俺の周りに群がる神々しい女子たちやハイエナのような野郎共から俺を引き剥がして俺と彰人を連れて学校の屋上に向かった。
「言われたとうり助けてあげたんだから、一葉の弁当の卵焼き2個ちょうだいよ!」
「くっそ、こればかりは文句言えねぇ…」
「てかここに来たは良いけどどーやって封鎖された屋上にはいるんだ?」
そっか、彰人はしらねぇのか。
「いや、ここの鍵俺が持ってんだよね。」
「え?一葉が持ってんの?なんで?てか俺って言うんかい。」
「おっと口を滑らしちまった。まぁ一年の時色々あってカッケーバスケ部の先輩いただろ?下口先輩。あの人から受け継いだんだよ。」
「あー、確かにかっこよかったなぁ。なるほどね。」
とりあえずここで休もう…
俺は常に内ポケットに入れてある鍵をとりだして、屋上の扉に刺し回した。
重い扉を押すと夏休み中は見れなかった久々の屋上だ。
「やっぱここが気持ちいいな!」
「ほんとだよ。ここが落ち着く!」
俺はよくここに伊吹とくるので伊吹もこの場所は知っている。
「ほんとだ!すげぇーなここ。気持ちー!!こんないい場所あるなら早く俺にも教えてくれたらよかったのに!」
「確かに。すまねぇ」
俺は笑顔で言い返した。
俺たちはフェンス越しに街の風景を風に吹かれながら眺めていた。
これからも呼んでくれると幸いです!