〜悪夢の夜〜
『...良い天気だな。』
男が空を見上げて、そう呟いた。
闇が広がる空、そして、強く降りしきる雨。
...雨?雨が降っているのに良い天気だと?
『...狂っているんですか?』
少年は引き攣った顔をしてこう返答した。
自分の発言は間違っていないものだと信じたい。
それとも、俺が狂っているのだろうか?
『私は正常な発言をしているつもりだが?』
男の発言を聞いて、少年は黙り込む。
『...まあいいだろう。感じ方は人それぞれだ。』
男はそう言うと、ソファから立ち上がり、壁にかかっていた黒のレインコートを手に取る。
こんな雨の中外出するのか。という疑問は残るが突っ込んだら負けだ。この人に何を言っても無駄なのだ。...なぜなら、彼は...。
『さて、そろそろ行くとしよう。夜の旅に、な』
男はフードを深く被り、少年にそう告げて部屋を出ていった。「仕事」をこなしに...。
少年は彼の座っていたに戻り、机に目を落とす。
彼の机には、山積みになった依頼書があった。
依頼書一枚一枚に、人の名前が書いてある。
そして、こうも記されていた。
「20XX年 ○月 13日 土曜日 殺害予定」
そう、彼は...殺し屋。
そして、依頼者の間では、こうも呼ばれていた。
血の追跡者、と...。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。不定期更新となると思いますが、それでも良いという方は気長にお待ちいただけると幸いです。
それではこれにて、失礼致します。