表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の王。  作者: 春乃來壱
12/31

12.上には上がいる。





家に入った5人は、明日からのことを話し合う。


碧達はルーティアに来てからまだ数日しかたってない事もありこの世界のことにはとことん疎い。

行先は獣人国に決まったが、どうやって行くのかまでは決まっていないのでそのことを含めて聞いてみる。


「ここから獣人国まで行くとしたら、竜車で向かったとしても1、2週間はかかるっすかね。歩きで行ったら1ヶ月以上はかかると思うっす」


「1ヶ月以上…」


歩きで1ヶ月以上かかると聞き雪は顔を青くしている。それもそのはずで、碧達は数日前までただの高校生だったのだ。


それがいきなりそんな長距離の道のりを歩いて行け、とは酷な話な訳で。

更に碧は今帝国ではお尋ね者(犯罪者)とされてしまっている。

1ヶ月も長い期間歩いていたら帝国の者にバレてしまうかもしれない。


もし見つかってまた刺されでもしたら堪らない。人より痛みに鈍い碧でもあれは怖かったし、何よりあの寒さはもう経験したくない。

無意識に刺された部分をさすっているとフィーが“でも”と言葉を続けた。


「ミドリくんの存在が帝国にバレるのは避けたいんで“転移”しようと思ってるっす」


「転移、ですか?」


雪が不思議そうに聞き返すとフィーが“そうっす”と応える。


「獣人国の近くに遺跡(ダンジョン)があるんす。そこに寄ってレベルを上げてから獣人国に入ろうと思うんすよ」


「…ダンジョンに、いくの?」


「はいっす!そのまま国に行ってもいいんすけど、ここからはもういつ何があるかわからなくなってくるっす。だから強くなっておいた方がいいと思うんすよ。危なくなったら僕らが助けに入るんで、そこは安心して欲しいっす」


3人の中でレベルが上がってるのは碧だけだ。


輝璃は護身術や格闘技は一通りできるし喧嘩も強いが魔法に対しては無知だ。

雪に関しては一般男性よりかステータスの数値は高いが実践の経験は0だし対人経験もない。

これからは魔物と戦わなきゃいけなくなるし、帝国の人間から碧を守っていかなきゃならない。少しでもレベルは上げておいて損はない、との事だ。


その提案は輝璃達にとって有難い申し出だった。

帝国の人間が来ても戦えなければただの足でまといでしか無い。いつ帝国に碧が狙われたとしても対処できるようにしておきたい。そう思いながら輝璃と雪は力強く頷いてダンジョン行きに賛成した。


次の話題は碧達の容姿をどうするかに移る。

5人の容姿はそれぞれかなり目立ってしまう。


フィーとむいは髪色や瞳の色で目立つし顔もいいから歩いたら人目を引くだろう。

輝璃は背も高いしかっこいいから日本でも女子の視線を集めていたし、雪も人見知りは激しいが基本誰にでも優しいし可愛い。

それに黒目黒髪はこの世界の人達の中にはあまり居ないためただでさえ目立つ。


それに自分は犯罪者扱いなのだ。もう既に顔が広まってしまっているかもしれない。

そうなったら一緒にいるみんなにも迷惑がかかってしまう、そう思っているとフィーと輝璃から心を読んだかのような言葉が返ってくる。


「帝国は周りの国と友好関係にある訳じゃないし、むしろ敵対してる国の方が多いんで、きっと自分の国の人達にしかミドリくんの事は話さないっすよ。だから気にしなくていいと思うっす」


「…それに碧が悪いことしたわけじゃないんだから、堂々としてよう?帝国の奴らが来たら、やっつけちゃえばいいよ」


「むいが守ってあげるからね!!」


「私も頑張ります!」


驚いたけど、4人の心強い言葉に少し照れながらお礼を伝えた。

その後も細かいところを話し合い、話さなければいけない事はもうなくなったのでフィーが輝璃と雪に魔法について教えてくれることになった。


2人共、碧と同じで基礎中の基礎となる魔力(マナ)の流し方から教わる。

輝璃は災厄の森(ここ)に来る時に“言霊”を使っていたのでマナの流れもわかっているのかと思ったが輝璃曰く、“言霊”は何をするかを考えて口にする感覚なので、魔力(マナ)と言われてもよくわからないらしい。


双子がマナの流れが掴めた後、フィーが“ボックス”から手のひらサイズの透明な魔石を取り出した。


輝璃や雪、碧も初めて見るものだったのでそれが何かわからず じっと見つめていると、フィーの手にのっている魔石が急に緑色に光りだした。


光った事に驚いているとフィーが魔石について説明してくれた。

フィーが持っている魔石は自分の魔力を少し流すことで、その人の1番相性のいい魔法属性を色で教えてくれるものだそうだ。


「ミドリくんの時はこれを使う前に【怪盗(スキル)】の事がわかったんで見せるのは初っすね。これから3人にはこの魔石で相性良い属性を調べてもらうっす。カガリくんとユキちゃんはその属性にあった魔法を教えるっす!ミドリくんにも今度また魔法を見せるっすね」


「あれ?この前見せてもらったので全部じゃなかったの?」


「見せてる途中で【傲慢(スキル)】の話になっちゃったんでまだ見せてないスキルはいくつかあるっす」


「…フィーとむいってレベルどれくらいなの?」


「えっと、200ちょっとくらいっすかね?」


「にひゃ…っ?!」


「伊達に長く生きてないっすからねぇ。それに僕達は災厄の森(ここ)でずっと魔物を相手にして倒してたからってのもあるっすね」


だとしてもレベルを200まで上げるのは至難の業だろう、と碧達が呆気にとられているとフィーとむいがステータスを見せてくれた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

Lv259

名前:フィー

性別:男

年齢:178

種族:白銀狼

体力:175000/175000

魔力:283800/285000

攻撃力:10200

防御力:20500

命中率:Lv.7

回避率:Lv.9

幸運力:Lv.9

状態:ー


役職:森の守護者

【⠀効果 】植物、動物の記憶や知識を視ることが出来る。


〖 ライト 〗〖 ファイヤ 〗〖 ウォーター 〗〖 ヒール 〗〖 氷柱 〗〖 氷翼 〗〖 水破 〗〖 縛 〗〖 転移 〗〖 捕縛 〗〖 煉獄 〗〖 神楽 〗〖 領域 〗〖 ボックス 〗〖 身体強化 〗〖 影渡 〗〖 黒雷 〗〖 雷神 〗〖 鑑定 〗〖 雷球 〗〖 念話 〗〖 絶対零度 〗〖 召喚 〗〖 夜目 〗〖 キュア 〗〖 エリアヒール 〗〖 ハイヒール 〗……


【大罪スキル・怠惰】

【効果】

自分を中心とした周りに不可侵の領域を作る。出入りするものは自分の意思で操作可。最大半径10mまで調節可。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

Lv186

名前:むい

性別:女

年齢:112

種族:白銀狼

体力:235000/235000

魔力:163000/165000

攻撃力:15200

防御力:10500

命中率:Lv.8

回避率:Lv.9

幸運力:Lv.8

状態:ー



〖 ライト 〗〖 ウォーター 〗〖 ファイヤ 〗〖 鎌鼬 〗〖 風詠 〗〖 炎舞 〗〖 火弾 〗〖 ボックス 〗〖 浄化 〗〖 飛行 〗〖 血壊 〗〖 影渡 〗〖 疾風 〗〖 星詠 〗〖 竜巻 〗〖 天撃 〗〖 念話 〗〖 心眼 〗〖 聞耳 〗〖 夜目 〗〖 重力 〗〖 咆哮 〗……




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




桁違いのステータスに3人は頬を引き攣らせる。これは最強種と言われるわけだ…、と納得していると碧はふと思った。



ーーこれ、俺よりも遥かに強いん(チート)だし、帝国にとって魔王よりフィー達の方が脅威になるんじゃなんじゃないの?と。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ