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こちらメイド探偵会です!  作者: 二見
PA殺人事件
87/123

現場検証

「ですから、私も現場に……」

「だから、無関係者は入れないんだ!」


 事件現場に入ろうとする榊を足止めする警察官。

 事件は男子トイレで発生していて、榊は女性なのだから無理はない。


「ふう、これでは現場に入ることができませんね……」


 このまま押し問答していても埒があかない。


「ここは式くんに連絡しましょうか」


 榊は式の電話に着信をかけた。




 榊が電話を掛ける少し前、式たちは再び現場に訪れていた。


「まず確認したいのは、現場となった個室以外の個室です。確かガムで簡易的に封鎖されていましたよね」


 警察の現場捜査によってそのガムは撤去され、個室は解放されていた。


「ここで何を確認したいんだ?」

「トイレットペーパーがどれくらい残っているか、です。現場に散らばっていたトイレットペーパーは結構な数がありましたが、その個室にあったものはほとんど消費されていなかったんです。ということは他の個室から取ってきたんじゃないかと」


 警察の調査では、トイレの清掃員の発言と合わせて明らかにトイレットペーパーの消費が多くなっていたという。


「だが、これがわかったところで何が判明するんだ?」

「事件当時、他の個室に入ることができた、ということがわかるんです。先ほどの三人の証言を照らし合わせてみると、一人目の勝又さんがトイレに入ったときは個室がすべて開いていたと言っていましたが、二人目の松岡さんがトイレに入ったときには既に個室は全て埋まっていたと言っていた。監視カメラの映像から、勝又さんがトイレから出た後、松岡さんがトイレに入るまでの間は誰も出入りしていない。つまりどちらかが嘘をついているんです」

「なるほどな」

「問題はどちらが嘘をついているか、という点なんですが……」


 式は考え込む。


「……そういえば、事件が発生してから今に至るまで、俺と隼人さん、そして警察関係者以外はこのトイレに入っていないんですよね」

「ああ」

「そうか、それなら……」


 頭を必死に回転させ、答えを導こうとする。


「なるほど、だんだんわかりかけてきました。残る謎はあと一つ」

「何が残っているんだ?」

「犯人がどうやって被害者を殺害したのか、です。事件当時被害者はトイレの個室に入っていたのなら、当然鍵をかけていたはず。つまり現場はほぼ密室だったんです。まあ上が空いているので、厳密には違うんですけど。でも、上から入ろうとすれば当然被害者にバレバレですし、そんなことをしていたら逃げる暇を与えてしまう。だからどうやって殺したのかな、と」

「普通に被害者が個室から出てくるのを待っていたんじゃないか? 用を足し終えれば出てくるだろうし」

「いや、それだといつ出てくるのかわからないから確実性に欠けます。下手したら数十分は出てこないなんてこともありえますし、待っている間に他の人が来てしまう可能性だってある。他の人がいる状況で被害者が個室から出てきたら台無しだ」


 式が言うには、犯人は何らかの方法で被害者を個室から呼び出し、その瞬間を狙って殺害したとのことだ。


「だから、犯人が任意のタイミングで個室から呼び出す何かしらの方法があったと思うんですが……」


 その方法を考えていた式だったが、突然携帯電話に着信が来る。


「ん? 榊さんからだ」


 通話ボタンを押し、電話に出る。


「もしもし、どうしたの」

『式くん、今トイレの前にいるのですが、警察官の方が私を現場に入れるのを阻止していまして……』

「そりゃ、榊さんは無関係なんだから仕方ないよ」

『ですから、式くんの力で何とか入れてもらえないでしょうか』

「俺の力って……」


 何気なく話していた式だったが、突然あることをひらめいた。


「……まてよ、もしかしたら」

『どうしました?』

「わかったぞ、犯人がどうやって被害者を個室から呼び出したのかが!」


 謎が解けた勢いで、式は通話を切ってしまった。


「あ」

「謎が解けたのか、式くん」

「は、はい。早速容疑者を呼び出しましょう」


 後で榊に怒られるだろうな、と式は心の中で思っていた。


「しかし、証拠は何かあるのか」

「まあ何とかなると思います」


 何とかなるでは困るのだが、と隼人は心配していた。

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