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こちらメイド探偵会です!  作者: 二見
ブラッディ・サスペンス
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年に一度

「それでは、本日の授業はここまでです」


 終業のチャイムがなり、本日の授業は全て終わりを迎えた。

 明戸高校に教員として勤める里中初音は、今日の放課後の時間を待ちに待っていた。


「これで今日の仕事は終わり、と。後は家に帰って準備するだけ……♪」


 うきうき気分で廊下を歩く彼女を、同じく明戸高校に教員として勤めている佐倉司が見かけていた。


「あら、里中先生。何だか楽しそうですね」

「あ、佐倉先生お疲れ様です。ええ、今日は夫が出張から帰ってくる日なので」


 里中の話によると、彼女の夫は長期間の出張に出ており、毎年この時期に一度自宅に帰ってくるのだと言う。


「この時期に年に一度会えるなんて、まるで織姫と彦星みたいね」

「ふふ、そうですか? なら今日は彦星様を豪華にお出迎えなきゃですね!」

「でも、まだ仕事が残っているんじゃ……」

「あ、そうですよね……」


 がっくりと項垂れる里中。


「そういう事情なら、今日は早く帰ってもいいですよ」


 と、この学校の教頭である白澤正敏が話に入ってきた。


「教頭先生!」

「せっかくの日に残業などしては興ざめだ。今日くらいは旦那さんとゆっくり過ごしなさい」

「あ、ありがとうございます!」


笑顔で感謝する里中。


「旦那さんは何時ごろに帰ってくるのかね」

「えっと、夜七時くらいに明戸駅に着くみたいです」

「じゃあ、それまでにパーティーの準備でもしておかなきゃね」

「そんな、パーティーってほどじゃないですけどね」


照れくさそうに話す。


「じゃあ、楽しい一日を過ごしてね」

「はい。これから買い物に行ってきますね!」


 笑顔で立ち去る里中を、佐倉と白澤は温かい目で見守っていた。


「教頭先生も粋なことをしますね」

「まあ一日くらい早く帰っても罰は当たらんだろう。それに里中先生は毎日熱心に生徒を教育しているからね。この学校に赴任してきてから、生徒や教員の信頼を勝ち取るために一生懸命に働く彼女を見たら、私も心を動かされますよ」

「そういえば、彼女は今年この学校に赴任してきたばかりでしたね。もうずっと一緒にいるような気がしていました」

「かくいう私も、まだ二年目だがね。だからこそ、余計に彼女の頑張りに目が行くというか」

「……セクハラにならないように気を付けてくださいね」

「ど、努力しよう」


 くすくすと佐倉は笑った。

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