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冒険家の子孫の成り上がり  作者: マッハ! ニュージェネレーション
ステージ2(バーレン皇国編):水の皇国
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5.開き直って……

 そんなカリフォンはここの場所を脳でチェックしてすぐに帰ろうと思っていたが、1人の男があろう事か話し掛けて来てしまうのであった。

「見ない顔だな、あんた」

 それは黄緑色の髪の毛を「わさぁっ」と言う音がしそうな位に、ボリュームたっぷりに頭に盛り付けている若い男だった。

「こんな場所に何の様だ? 誰かの招待を受けたのか?」

 訝しげな表情で問いかけて来るその男に、カリフォンは飄々とした口調で答える。

「いいや、俺はトイレの場所を探していただけさぁ。でもどうやらここじゃなかったみたいだ、失礼するぜ」

 だが、そんなカリフォンと男の傍にさっきの男が歩み寄って来た。

「トイレの場所? さっきからうちの事を散々尾行しておいて、良くいけしゃあしゃあと言えるね? うちはあんたみたいな男と一緒にトイレに行きたがる趣味なんか無いよ」


 凄く女っぽい一人称だが紛れも無いこの男に、段々と形勢不利になって来たと確信したカリフォンはいっその事開き直ると決めた。

「そーかぁ、だったら話は単純だ。トイレの話は嘘。俺はあんたに聞きたい事があったんだ。何であの爆発事故の時、あんたはあんなに平然としていられた? 普通の人間ならパニックになったり雄叫びを上げたり逃げ回ったりする筈だ。なのにあんたは凄く冷静だった。これは凄くおかしいだろ? 例えばそう……あんたがあの爆発事件に1枚噛んでる、とかよ?」

「……分かった、あんたがそう言う考えを持っているんだったらうちにも考えがある」

 その男が指をパチンと1つ鳴らすと、賭博場の客としてやって来ていた客達全員およそ20人がガタガタと椅子を引いて立ち上がって武器を構えて来た。


「あ……れ? 全員お仲間?」

「だったらどうだってんだ? おいらもそうだし……なぁ?」

 今度は黄緑頭の人間が客達に同意を求める様に振り返りながら言うと、ほとんどの客がうんうんと頷いた。

「大体、あんたあの場所に居て兵隊に指示を出してたろ。うちはそれも見てたんだぜ? 騎士団の人間にこんな場所を見られちまったら、ただでうち等も帰す程御人好しじゃないんでね」

 そう言いながら武器に水色髪の男が手をかけた……その瞬間だった。

「では、こちらも私が加勢するとしましょうか」

 突然入り口のドアが開き、そこからは今この場に居る筈が無い男が姿を現した。

「あっ、あれ!? ロオン!?」

「兵士から伝言を頂きましてね。少し気になる情報も手に入りましたので……。その情報に従ってここに辿り着きました。詳しい話はそのお2人に詰め所で聞くとしましょうか」

 ロオンは目が笑っていない笑みを浮かべながら武器を手に取った……が、その時武器を構えている客の中に気になる顔を見つけた。

(ん? あれ、確かあの方は……)


 しかし、その客の顔を見続けていられる状況では無かった様だ。

「あ、そう。だったらおいら達も遠慮はしないんでね!!」

 そう言っていきなりその2人の男を筆頭にして一気に襲い掛かって来た客達だったが、即座にカリフォンとロオンも反撃に出る。

 まず向かって来た2人の筆頭の男を武器を持っていない方の素手で殴り飛ばし、それから向かって来る客達にそれぞれ対処して行く。

 それに加えてカリフォンは、その乱戦の中でも今まで培って来た騎士団の修練通り以外の戦い方、つまり我流の戦い方を存分に発揮して行く。

 ロングソードだけを使うのでは無く、例えば椅子を持ち上げて客に向かってブン投げてけん制したり、テーブルごと反対側の客に体当たりして客が怯んだ所で、テーブルの上を転がってキックをテーブルを挟んだ反対側に居るその客にキックを食らわせたりする。


 それを見ていたロオンも下段回し蹴りで1人の客を転ばせ、次に後ろから向かって来た客にミドルキックで対処。

 プラス、小さなファイヤーボールを手に生み出してそのまま客を殴りつけたりと、結構荒っぽい手段も取っている。

「ロオン、後ろだぁ!!」

 カリフォンの言葉に後ろを振り向けば、目の前に自分の武器であるハルバードを振りかぶる水色髪の男の姿を捉える事が出来た。

「くっ!」

 間一髪で屈んでそれを回避し、お返しに剣の切っ先で男の足を突き刺す。

「ぐわ!」

 怯んだ男はそれでもハルバードを突き刺そうとして来るので、ロオンは全力でそのハルバードを横に薙ぎ払いながら、男の身体も一太刀で薙ぎ払って絶命させた。


 カリフォンはカリフォンで残りの客達と黄緑髪の男を相手に戦う。

 残りの客の1人のみぞおちにキックを入れるとその客がうずくまったので、うずくまったその客の背中を踏み台にしてジャンプ。

 そこから思いっ切り別の客にドロップキックを浴びせて、後ろの木目の壁に叩きつけてからすぐに跳ね起きて身体を反転させ、後ろから襲い掛かって来た黄緑髪の男の双剣を受け止めつつ、男の股間に強烈な振り上げキック。

「うぐぅ!!」

 急所を思いっきり蹴られて前のめりに悶絶する男の無防備な背中に、カリフォンがロングソードを垂直に突き立てて絶命させ、ようやく室内での戦いが終了した。

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