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冒険家の子孫の成り上がり  作者: マッハ! ニュージェネレーション
ステージ1(イディリーク帝国編):20歳の若者、冒険者になる
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66(最終話).旅立つ若者達

https://ncode.syosetu.com/n8152ff/3/

イディリーク帝国編登場人物紹介に謎の男2人を追加。

「この度の活躍、誠に感謝致します」

 謁見の間の1番奥、階段を5段程上がった玉座に座っているリュシュターの優しげな声が響き渡った。

 その階段の下にはリュシュターの座っている場所から見て左から順番にリュディガー、バルド、トリス、フェリシテの4人が跪いていた。

「勿体無きお言葉でございます、陛下」

 跪いたリュディガーが返答をし、これから先の帝国の予定が4人に告げられる。

 まず、帝国に反逆を企てたカルヴァルを筆頭としたクーデターグループは勿論国外追放。

 本当は多数の死傷者も出しているので即刻死罪にすべきだとの声も大きかったが、リュシュターはそれを退けてこの様な判断を下した。


 その国外追放を受けたメンバーが向かうのは、イディリークの北にあるラーフィティア王国「だった」場所。

 天変地異によって国家が壊滅し、荒れ果てた土地や崩壊した建物はそのまま残され、残っている住民達は難民となってイディリークや東のヴィルトディン等に流れて行っている。

 そんなラーフィティアを再建する人員として、反逆メンバーが選び出されたのである。

「そんなに自分の国を持ちたいのであれば、カルヴァル将軍を国王に、ジェバー様を宰相に迎え、イディリークを始め近隣諸国と数多くの物資の取り引きや合同訓練を始めれば良いと思います。我が国に対して反逆を企てた事への罰にもなりますしね」


 それ以外にもこれからの予定をカルヴァルがリュシュター直々に聞いてみた所、私兵団のジレフィンを団長に、ヘーザを副騎士団長に迎える予定だと言う。

 イディリークはクーデターグループを追放する事が出来、クーデターグループは念願の自分の国を手に入れる事が出来てどちらも得をすると言うリュシュターの判断だった。

 何でもかんでもマイナスの罰を与えるのでは無く、「プラスの罰」を与える事で不満の解消に繋がると考えた結果である。

 そしてイディリーク帝国もリュシュターを筆頭とし、モールティ達のサポートもあり僅かずつではあるがまた成長して行きたいとリュシュターは強く願っている。

 勿論、願うだけでは無くきちんと実行に移す事が大切なのだが。


 そのイディリーク帝国騎士団も人員異動をするらしい。

 団員の約30パーセントが抜ける結果になった今回の事件。

 その抜けたカルヴァル達の王宮騎士団の団長には、何と兵士部隊の総隊長であるジアルが就く事に。副官は兵士部隊の副総隊長だったラルソンだ。

 更にその2人が抜けた後の兵士部隊には、ジアルの副官であるヴィンテスとパルスのコンビが抜擢されヴィンテスが隊長になり、パルスが副隊長として活躍する事になった。

 ローレンとジャックスは今までと変わらず、近衛騎士団の団長と副騎士団長として活動するらしい。


 だが、リュシュターが4人を呼び出したのはその話を聞かせるのもそうだったのだが、本題はここからであった。

「私を助けて下さった皆さんには本当に感謝しています。ですが、良く聞いて下さい」

 いきなりトーンの変わったリュシュターのセリフに、4人も表情を引き締めて階段の下から彼の顔を見上げる。

 そして、衝撃的な事を皇帝陛下が言い出した。

「私達は、貴方達4人も国外に出て行った方が良いと思います」

「はっ!?」

「え?」

「ちょ、ちょっとどうしてですか!?」

「何で……?」


 4人からそれぞれ驚きのリアクションが出て来るが、リュシュターは思い直して左手を顔の前で振った。

「驚くのも無理は無いでしょう。ですが……貴方達は身の安全を考えるとやはりこの国から出て行った方が宜しいかと」

「何故、とお聞きしてもよろしいですか?」

 フェリシテがそうリュシュターに問うと、皇帝は突然の国外退去を4人に促した理由をしっかりと説明し始める。

「まず、貴方達が私を助けて下さった時……リュディガーとバルドとフェリシテですね。その3人の顔があの謎の集団に割れていると言う事が考えられます。それからトリスもその後に黒いコートの集団と戦ったとなれば、その集団が貴方達に対して恨みを抱いていると考えられます。つまり、この国に留まっていたら貴方達は再び命を狙われる可能性があるんです」


 そこまで言ったリュシュターはトリスに目を向ける。

「トリスさん、貴女がリュディガーさんの旅立ちを良く思っていないのもここに帰って来るまでの間にお聞きしました。ですが、命は1つなんです。国外に出て冒険者として活躍するのであれば、仕事は他の国に行っても何とでもなります。しかし、この国に留まって命を狙われる恐怖に怯え続けると言うのはいかがなものかと私は思いますが」

「……そう……ですね……」

 元々孤児で生活にも苦労していた身分だったリュシュターだからこそ言える、妙に説得力のあるそのセリフにトリスは何も言い返せなかった。

 結局、帝国からの資金援助によるバックアップありと言う条件を付けて貰うのを条件に、皇帝リュシュターからのアドバイスで兄の旅立ちにトリスも着いて行く事になった。


 話が終わって謁見の間から退出するその4人の、特に最後に退出していったリュディガーの背中を玉座に座ったまま見送るリュシュターの口から謁見の間に小さく漏れた呟きは、呟いた本人以外に誰も聞こえる事は無かった。

「ご武運を。……偉大なる冒険家、ルヴィバー・クーレイリッヒの本当の子孫よ……」


 ステージ1:イディリーク帝国編 完

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