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冒険家の子孫の成り上がり  作者: マッハ! ニュージェネレーション
ステージ1(イディリーク帝国編):20歳の若者、冒険者になる
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21.暗躍していた奴

 そしてその4人とヴィンテスとパルス、それから生き残って来た部下達とのバトルが始まった。

 基本は2対1であり、ヴィンテスは黒髪の男と紫髪の男、それからパルスが大剣の男と槍の男を相手にする。

 部下の兵士がヴィンテスとパルスのそれぞれについているとは言えども、油断できる相手では無さそうである。

 その証拠に、兵士達を相手にしているそれぞれの4人の男達の顔にはどことなく余裕の表情が浮かんでいる様に見える。

 勿論ヴィンテスとパルスも加勢するが、それでも少し表情に余裕が無くなっただけでまだまだ余裕がありそうだ。

 この男達の実力はもしかしたら、いや、もしかしなくてもかなり高いレベルにあると見える。


 そうして次々と兵士達が倒されて行き、残ったのはとうとうヴィンテスとパルスだけになってしまった。

「だから言ったでしょう? 逃げるなら今の内ですよって」

 黒髪の男が楽しそうにそう言いながら、槍を構えてヴィンテスの方へと向かう。それと一緒に大剣の男もヴィンテスへ向かう。

 残った2人の男は勿論パルスとバトルを繰り広げるが、その時に思いがけない援軍が現れた。

 山の上へと向かう登山道の方から、バタバタと足音が聞こえて来る。


 その足音に気が付いたその6人がお互いに攻撃をストップしてそちらの方を見てみると、先に行った筈の兵士部隊が大勢で駆け下りて来るのが見えた。

「くっ、ここは退くぞ!!」

 疲れが溜まっている事もあり、槍の男が残りの3人にそう指示して素早く林の中へと姿を消した。

「おい、待てっ!」

「パルス、深追いはするな!」

 地の利はもしかしたら向こうにあるかもしれないので、とりあえず今は自分達の疲れを回復させるのが先決だとヴィンテスは判断し、パルスをぐっと押さえ込めた。




 ラルソンとジアルの部隊は依然、中腹部でのバトルが続いていた。

 その中でラルソンとジアルは、最初に襲撃して来た男達の服装に見覚えがある事に気が付く。

(あれは確か、ジェバーと……)

 そう、ジェバーと密会をしていた赤い上着の男の姿をしっかりと目撃しているラルソンとジアル。

 上着の色こそあの男とは違って様々だが、下は黒いズボンだと言う事はあの赤い上着の男を倉庫から出て来た所で見かけたので、完全に一致する。

 それにその時一緒に、襟の部分に白いラインが模様として入っているのも見かける事が出来たのだが、この襲撃者達の上着の襟にも同じ形のラインが入っている。

 だとしたら、この襲撃者達はあの男の仲間であると言う可能性が100パーセントに近いと言う確信を持てる事になる。

 また、自分達だけでは無くヴィンテスとパルスの情報も忘れてはならない事を思い出す。

 彼等2人の情報によれば、城下の裏路地においてカルヴァル将軍がこの襲撃者達と同じ種類の上着を着た男と密会をしていたとの話だ。

 そうなれば、カルヴァル将軍もジェバーもこの襲撃者達との繋がりがあると断言出来る。


 そうして何とか襲撃者達を全員殺し、一息つく事ができた所でラルソンがジアルに声をかける。

「ジアル……」

「ああ。はっきりと繋がったな。王宮騎士団とこの襲撃者達は俺達を間違いなく結託して狙って来ていると見て良いだろう」

 クールだが緊張感が存分に感じ取れるその発言に、ラルソンも同じく緊張感が高まるのを肌で感じ取る事が出来た。


 そしてそれを裏付けるかの様に次の瞬間、カルヴァルとジェバーがその姿を2人の前に現した。

「その通りだ」

 今のジアルの推理を聞いていたのだろう、カルヴァルはもはや否定する事も無くあっさりとその事実を認めた。

「やはり、貴方がこの襲撃を裏で指示していたんですね。将軍」

 そのラルソンの発言に、カルヴァルはふっと鼻で笑う。

「当たりだ。俺もジェバーも絡んでいる。ここに呼び出したのも御前達を一気に始末させて貰う為だ」


 しかし、その言葉にラルソンは違和感を覚えた。

「何故俺達だけなんですか?」

「まずは邪魔者となる奴等を殺しておくのは基本中の基本だろう。俺達が尾行に気が付いてないとでも思ったのか?」

 そう、最初からこの2人はあの時の尾行に気が付いていたのだ。

「はははっ! 間抜けな人達ですね~! 私達が尾行に気が付かない振りをしているのに、その演技にすっかり騙されていたんですから。それで兵士部隊の副隊長や隊長を名乗るとあれば、この国も簡単に落とせますねぇ~!」

 横に控えるジェバーも、高笑いをしながら2人を見据える。


 更にジェバーは、この後に自分が集めた今迄の情報を分析して推理した結果を逆にラルソンとジアルに話し始める。 

「それにですねえ~っ、私達は貴方達が連日会議室や執務室に行っている事にも気が付いていたんですよ? あれだけ連日お偉いさん方の会議室が使用中になっているのを、王宮騎士団の密偵が報告してくれましたのでねぇ? そ・れ・も、普段立ち入り禁止になっていない筈の時間帯に連日連夜立ち入り禁止の札がかけてある。そうなれば、怪しまないと言う方が馬鹿なんですからねぇ~!」

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