表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険家の子孫の成り上がり  作者: マッハ! ニュージェネレーション
ステージ1(イディリーク帝国編):20歳の若者、冒険者になる
10/593

7.旅立ち? いいえ、それは失踪って言うんです

「そうか、やっぱダメだったか……」

 自分の家にやって来たバルドに対し、トリスから大反対を受けたリュディガーが結果報告をすると、バルドもある程度結果は予想していた様で納得した様に頷いた。

「あいつの言う事ももっともだ。だが、バルドとの約束もあるし諦められない」

 やっぱり反対される結果になったが、リュディガーは諦めるつもりは無い。

「別に俺との約束云々って言うのは、俺が自分から言い出した事だから断固拒否して破って貰っても構わねえよ。少し俺も強引だったかも知れねえからな」


 けど、とバルドはリュディガーを改めて見据える。

「それでも御前は旅に出たいんだろ? トリスちゃんをこの帝都に残したままで」

「……ああ」

 自分の祖先にあたる人物が、大量の冒険日誌を残す程のどんな冒険をしたのか。

 そして見つかっていない陸地とは一体何なのか。

 それはどうしても知りたいリュディガーの決心は変わらないのを見て、バルドは腕を組んでうーんと首を捻った。


 そして、意を決した様に彼はこんな提案をする。

「……逃げようぜ」

「ん?」

「置き手紙だけ残して、さっさと出て行くんだよ。大反対されてもその意思が変わらないんだったら、結局は強引な方法も俺は必要だと思うけどなあ」

「…………」

 それは流石に躊躇するリュディガー。

 黙って出て行ってしまうのは、幾らしっかり者で気の強い性格のトリス相手でもやっぱり気が引けてしまう。

「あくまで1つの方法だからな。俺だったらこうする、って考えなんだから最終的に決めんのはリュディガーだぜ?」

 バルドは行動するタイプだからそうした行動を取るのにも躊躇は無いのだろうが、あいにく自分はバルドじゃ無いと言うのをリュディガーも分かっているので、踏ん切りがなかなかつかない。


 しかしここでもたもたしていても話は始まらないし、行動するなら早い方が良いだろうと気持ちを切り替える。

「……そうだな」

「おっ、何だかやけに決断が早いじゃねえか」

「どうせあいつの事だから、俺が何を言った所で結局は反対されてしまうのが落ちだろう。だから俺は御前の言う事に賛成だ」

 それを聞き、バルドは頷く脱走計画ならぬ失踪計画をイリスの居ない間に立て始める。

「分かった。それなら決行するのは早い方が良いな。トリスちゃんは今仕事に行っちまってるから、色々とこの家から持ち出す物を決めておこう」


 旅立つのであればそれなりの準備が必要だが、この帝都アクティルは自分達だけじゃなくトリスにとってもテリトリー。

 なので、脱出する為に必要な物の買い物にも迂闊に行けない。

 傭兵の仕事があるからとトリスに嘘をついても、町の食堂に勤務している彼女は兵士部隊との繋がりが強いのでその嘘が兵士部隊の話を通じてバレてしまう可能性だって大いにあり得る話だ。

 そこで、ここは冒険者の先輩であるバルドのアドバイスを受けながら旅の準備を進めるリュディガー。

「荷物は最小限にしよう。傭兵の仕事だったら念入りに準備をするから荷物も多くなりがちだけど、冒険者として世界中を旅するのであれば武器、それから防具にケガとかした時の薬や包帯、後は何日か分の食糧だ。基本的には日銭を稼ぎつつ、旅の途中で買い足すスタイルだからな」


 今まで色々な国の色々な場所を旅して来た経験のあるバルドは、旅をする上でどうすれば良いのかを分かっている。

 イディリークから出た経験の無いリュディガーにとっては頼れる存在なので、指示に従って手早く行動を済ませた結果、愛用のソードレイピアとこれまた愛用の防具にマント、そしてあるだけの自分の金になった。

 食料や薬系統の物品を勝手に持ち出すとトリスに怪しまれる可能性がかなり高いので、バルドの家から持ち出してそのまま帝国を出る計画である。


「うっしゃ、荷物はこれ位で良いだろう。後はどの国に向かって進むかを決めなきゃな」

 バサッと勢い良く地図を広げ、バルドがリュディガーと共に進行ルートを決める。

「近いのは……東方面に向かってバーレンに入る方だと思う。北に向かってラーフィティア王国に入る手もあると思うが、そっちには確か行けないんだったな?」

「ああ。天変地異で王国が壊滅しちまってそのままになっているって話だからな。俺も世界各国を冒険して来たけど、ラーフィティアに向かうのだけは避けたからよ」

 北に位置しているラーフィティアと言う国は、その国王の暴君ぶりで知られていた王国だった。

 しかし、それも数年前に起こった大きな地震を始めとする竜巻や謎の大雨等の複数の天変地異によって、王都を始めとした各地が壊滅したのは全世界に衝撃を与えた。

 リュディガーもバルドもそれは知っているので、ここは素直に東に向かってバーレン皇国を目指す事に決めた。

 西へ向かって船で海を渡り、その先にあるヴィーンラディ王国かアーエリヴァ帝国に向かう事も出来なくは無いのだが、それだと時間が掛かり過ぎるのでやはりバーレンが妥当だと2人の意見が纏まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ