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シンク  作者: かいじゅう
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1話; チリの山

君の後姿をいつも見てた。追いかけているのはいつも僕だった。

君が欲しい。






人とのかかわりで一番濃いのは何だろう。その人の24時間とかを支配できる感情、そんなものがあるなら、それに漬かってみたい。

初恋をしたこの体は、それでもあなた以外のことを考えようとする。

ぼくの24時間はまだ ぼく の物だった。

いつからか教わりもせづに僕は美しい物に見とれ少なからずに、胸をときめかせた。


春の葉の舞い散るさまとか、きんもくせいのかおりとか、女の子の生々しい匂いとか。


僕は性別上オトコだけど美しい物に性別なんていう、分かれ目は無い。

一番の美しさはどちらにも見受けられる。

そんな芳情に恋をした。何度も何度も覚めやらぬ、思いを知った。




そんな自分が今一番求めている物は、一番な存在だって気づいたのは、親友という物がこの年になって初めて出来たからだ。


高校一年の僕には少しみんなとなじめない節があり、休日に遊ぶような友達は少なかった。

それも自分の望んだことで、少なさに満足していたのだが、暮らす全域の人々と友情を分かつタイプの友達が一人出来たせいで僕には見る見る友達が増えていって、学校に価値を見出さなくなっていた。一人を理解するのに一年で三時間程度しか取れないような友情関係になってしまった僕の周りは、チリのように人が集まるようになって、やがてぼくは埋もれてしまった。

 そんな時クラスで一人、僕と話さない人を見つけた。


名前は知らないがきれいな茶色い髪の世に言うふりょう みたいな。おとこだった。

横暴な行いはしていなかったようだが、少し態度が悪いらしく、クラスでは一部の人間としか会話をしなかった。


このチリに埋もれた自分から離れるには、彼と何かで結ばれるしかないと思い。やっと僕は自分の周りを見回した。

自分としゃべりに着ているのではない周りのやつらは僕の瞳に友情を見せ付けるだけで、僕のことを詮索しようとするやつは独りも居なかった。



自分の席から3っつ離れた、彼に近づくのは難しかった。何かしているようではないが、僕と挨拶する気など無いのだろう。机とそいとげ眠っているような格好で突っ伏していた。話す内容の無い自分では、彼に話しかけるなど出来ない気がした、それでも話しかけた、僕の声で。


「きれいな髪。」良いながらくしを通していないため少しぼさついている髪に目を向ける。

するとむくっと動いて彼が、「お前は中国の髪買いみたいなこと言うな。」といった。


「僕の名前知ってる?」かれの初めての声は自分の心の中にいれ、自分を知ってもらう。

僕の問う声に彼は、「青質 有為だ。」と僕の名前ではないことを発した。僕は、「それ誰の名前?」と聞いた。彼は「俺の名前。」といってあごをしゃくった。僕は「仁鯉 ニジムです。」と自分の名を答えた。


彼の名前は あおしち ゆうい 僕の名前は じんこい にじむ 



彼は自分のことをたくさん僕に教えてくれる、それは好きだった歌手だったり。前売っていた飲み物だったりして、僕の記憶の片隅にいつか植えつけられた物だった。昔の話しかしない彼。いや僕は彼を ゆい と呼ぶことにした。 ゆいは今のことをあまり話したがらない。

希望は昔にあったのだろう、自分の好きな歌手の魔法使いのような声とか、絶対に飽きないと思っていた味とかに、ゆいは執着しているように思えた。



そのうち自分からはチリが解けていって、僕には休日遊んでいた友人とゆいだけが残った。

ゆいの変化は著しかった、髪が黒さを取り戻し、話はすこしづづ未来の過去へとなった。それでも、僕はゆいの本当を聞けなかった、ゆいは知らずに居るのだろうか、このクラスのことを




自分と話している数人の人間だけが学校という存在で、そのうちだけがゆいの学校なのだ、きっと僕はこの友人とうまくやっていける。


しかし、髪の色が変わったことで先生はゆいの人間性を見せ付けられることになり、急激にクラスでの存在感がました。授業にも出ているように扱われると、人々が僕の周りにまた集まろうと、声をかけてくるようになった。


僕はそれにそっけなく答え、昔を思い出しチリの生活を思い出した。ゆいに逃げ込んではいけない。分かっている。ゆいの数人の理解の人から、ゆいを取りすぎるな、といわれた僕は、これ以上彼らの ゆいとの時間 をとってしまうと、ゆいと引き話されてしまうだろう。ゆいは僕のところにきてくれるだろうが、そんなに学校生活に依存してはいけないと、自分で分かっている。ゆいはびっくりするほど自然に教室で僕に挨拶してくれる。


そんな友達はもはや、ゆいと あと数人しかいないのだ。しかとを続けた友人達は挨拶をあいまいにそっけなくする僕とは、一緒に居ても温まれないと気づいたのだろう、もう僕を見て友達のように少し顔を緩ませることしかしなくなってしまった。ゆいは相変わらず、僕と数人の理解の人と話すだけだ。


学校がドンドン僕の生活の場所になっていっている。昔は執着しなかったのに今は休日に遊ぶ変わらない数人に執着している。ゆいは無くてはならない存在になっている。これが普通の学校なのか。僕は学校にくることをなんと10年目ではじめて体験しているのだ。

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