第八話 うう?
家路を急ぐ会社勤めのお父さん達。 春と夏の谷間を楽しむ余裕もなく、どうも今の景色よりも明日の景色を眺めているかの様に感じてしまう、俺。 石田三成。 釣り、やってません。 俺なんの報告?
あー疲れたわー部活も終わったし、はよ学校から出て一般ピーポーになろっと。
「あー! 石田君ー! 二のZ教室で先生呼んでたでー!」
え、まじで? 俺なんかしたか? え? まじ……。
あっあの子、茶々山さんか茶茶山かどっちかの子や。
ありがとう言わなあかんわ。
「ちゃべ……ちゃべちゃべ」
何語や! 俺! 女の子に緊張高ぶり過ぎや!
あー行ってもた。 また機会あったらありがとう言おか。
えー……二のZ教室てどこやねんな。 それとZて、そんなに生徒おったかここ。
ほんまにおかしい学校やでほんま。
あっここやここや、ここが二のZや。
ガラガラ。
「失礼しまーす」
「おー。 石田待ってたんやー。 こっち来て座りー」
「あっはい。 先生俺何かありましたっけ?」
え? 俺何も忘れ物もないしなー。 テストも別にわるなかったし……。
まーええわ。 聞いてみてからの話ちゅー感じやなうん。
「違うんやー。 石田の進路をな。 先に聞いておきたい思ってなー。 だからいきなりやったけどな呼んだんやー。 たたやまが呼んでくれたやろ? 学級委員の」
名前おもっくそ間違えとるがな! わかるけども、わかるけどやな。
「あっはい。 茶茶山さんが呼びに来てくれて。 先生、でも俺進路はまだまったく……」
「石田。 お前。 江戸に向かうんやろ」
「なんで知っとんねん! 昔やそれー! 今はどっちか言うたら動きたないわ」
なんやこの先生……。 こっわいわー。 俺の昔知ってまっせの体で攻めて来るとか予想超過しとるわ。
「先生な。 夢は大きくって思うんや。 小さくなったらあかん。 世界目指して上を目指せ。 先生悪い事は絶対言わんのや! 卓球しよ」
「お前かい!」