第三話 ええ?
俺、石田三成。 今日のテンションめっちゃホリデイです。
いうて今日平日やねんけどね。
何がテンションめっちゃホリデイなんて?
ちゃうねん。
めっちゃ知らんクラスメイトに話しかけられてるねん。
めっちゃ怖いねん。 知らんいうねん。 なんなんそのメガネ、角々に動物の絵描いてるやん。
「なあ石田ってな。 家どこなん?」
「日本」
ベタがベターやわほんま、こいつポカーンしとるわ。 ポカーンや。
で、次は何ねろてますかー? 来いよ! ほれ来いよ!
「なあ石田ってな。 服のセンス悪いん?」
「みんな一緒や! 制服やこれ!」
俺だけ特注の制服着たとして、それダサかったらどないすんねんな。
「なあ石田ってな」
来るねー君。 めっちゃ名探偵ぷり見せて来るやん。 来るねー!
初会話でセンス悪いや家どこやめっちゃ深い俺の部分まで入って来るやん。 来るねー!
「なあ石田ってな。 名字石田で名前サンセイなん?」
「ワシゃルパンか! 三成でサンセイて読む奴ファーストラブやわ」
なんやこいつ、ほんまいけすかん奴やわー。 これが昔の俺やったらギッタンギッタンにしたるのにから、ほんま苦手やわー。
ていうか、もう授業始まるしやな……。 そろそろ自分の席着きたいんやけどなまじで……。
どうやってこの会話終わらせたらええんや……。
そや、名前だけ聞いてやな。 ほな! で、ええんちゃうか。
よっしゃ。
「声掛けてくれて嬉しかったわー。 んで、名前なんていうんよ?」
「豊臣やけど」
……。
「ええ?」