第二話 ああ?
登下校。 俺は登下校が大好きだ。
何故かって? 聞くな聞くな! 聞くなちゅーねん!
わかるやんそんなん。
家帰れるからやん。
せやろ? せやろか? 工……。
やめろやめろ。
俺、石田三成。 登下校には華がめちゃあると思うねん、なんやかんやそうやって思いながら二年も過ごしているちゅー感じやねん。
日本という国にはやね、四季があるんやね、今は春を楽しんでいるんですかーさん。 かーさん!
かーさんおらんけど。
話戻すけど、この登下校の今は登校やねん。
この登校に、俺は胸キュンキュンしてるちゅーことやねんな。
だから。
この学校に着くまでの並木道ってのが大好きやねん。
香る花々のフレグランス。 舞う小粋なこ……。
「おま……虫やないか! おま! 向こう行けや!」
舞う小粋な朝蝴蝶。
そして、時を同じく歩みを進めるその少女。
そうなんよ、俺ちょっと恋してます。
石田、恋してます。
俺はどうやらその少女とお話をしたいんちゃうかな?
いや、知らんけど。
ちゃうねん、誰かも知らんねん! 制服は同じ学校やねんけど、学年知らんし名前知らんしスリーサイズ知らんしやな、なんも知らんねん。 教えてー! かーさん!
かーさんおらんけど。
その可憐な少女の後ろ姿を見つめながら、もう学校やねん……。 そりゃ下も向くわ。
「ああ、今日もなーんもなしや。 嫁ゲットなしや。 小さな声で言うてやろ。 好きやねん!」
ガラガラっと扉が開いた。
「そんなん社会の先生いきなり言われてもやな困るわ」
「お前ちゃうわ!」