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13


 奥へ、奥へ、二人の足は進んでいく。

 その間にも、迫り来る霧は、濃くなっていく一方であった。霧が再び、二人を包み込んでしまうのも時間の問題であろう。


「よし、ここならいいだろう」


 ガンスレイブの足が止まる。続くヒポクリフトも足を止め、その場所を見回した。

 その場所は地下第6層の中でも、かなり開けた場所であった。まるで予め、今この時の為に用意されていたかのようには、闘うには申し分ない広さである。


 ガンスレイブはどうやら、ここでゴーストを迎え討つらしい。


「ガンスレイブさん、無理だけは…しないで」


 せめてもの忠告、また思いやり。ヒポクリフトは静かに言って、ガンスレイブとの繋いだ手を、ギュッ強く、握りしめた。


 そんなヒポクリフトの顔を覗いて、ガンスレイブはフッと、笑みをこぼす。


「無理をするな、か…それは約束できないな。だが、善処はする事にしよう」


 ガンスレイブはヒポクリフトの手を離すと、「後ろにいろ」と、背後を指差した。

 

 ヒポクリフトは素直に従い、たどたどしい足取りではガンスレイブと距離を取る。そして、霧に呑まれつつあるガンスレイブの背を見て、ただ祈る事しか出来ないでいた。


 その祈りは誰に向けたものか、神か、はたまたガンスレイブに対してか、それはヒポクリフト自身にもよく分からなかった。


 ただ言って、ガンスレイブの安否を気遣ったものとだけ、確かな事であろう。


 いよいよ、霧が全てを覆い尽くそうとしていた。また、例の金切声が、次第には近づいてくる。


「キィィ…ギィィ…」


 ゆっくりと、また明確に、ガンスレイブと、ヒポクリフトの耳を侵していく。


 そして遂に、その時はやってきた。


「ギィィィィィィィィィィィィッ!!!」


 ゴーストが、ガンスレイブの姿を補足したのである。それはガンスレイブも然り、ガンスレイブもゴーストの姿を補足し、大剣を構えた。


「久しいな、ゴーストよ…」


「ギィッギィッギィッ!!!」


 ゴーストは金切声を上げる。まるで笑っているような、そんな金切声。ただ決して、友好的な声でないとは、ガンスレイブは理解している。


 また霧で視界を奪われているヒポクリフトも、その事をよく理解していた。


「さぁ…始めようかゴースト…」


 ジリジリと、ガンスレイブは足を前に出した。ゴーストとの距離を詰め、大剣の届く範囲まで、足を進める。


 そして、


「ギィィィィィィィィィィッ!!」


 そんな金切声を皮切りに、死闘は開始された。


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