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 ダンジョンマスター(階層主)の居場所は、大方、目星が付いているとガンスレイブ。


 実際にも、ガンスレイブはダンジョンマスター(階層主)を直ぐにも見つけ、そして。


 ものの一瞬、ダンジョンマスター(階層主)に付き従っていた魔物諸共(もろとも)、ガンスレイブはいとも容易くは、排除していった。それがどんな魔物だったのか、ヒポクリフトの確認すらままならない内に。


「よし、ヒポクリフトよ。場所を移すぞ」


 ガンスレイブは平坦な口振りで言って、周囲を見回した。辺りには薄っすら、先程の霧が近づいてきているようだった。


 その霧を見て、ヒポクリフトもまた、ゴーストが自分たちを追ってきたのだろうとは、緊張の糸を貼る。


「ガンスレイブさん、そのゴーストと…本当に闘うのですか?」


「無論だ。これ以上足止めをくらってはかなわん。それに、奴は俺にしか封印できん」


 ヒポクリフトの顔は青ざめる。それは、またあの得体の知れない存在と接触しなければならないのか、という恐怖心からと、また不安心からである。不安心の中心に、ガンスレイブはいる。


「…ガンスレイブさん?もしも、このまま上の階層に行って、そのままずっと逃げ続ければ、いつかは振り切れないものですか?」


「…それはつまり、俺に尻尾を巻いて逃げろと、お前はそう言うのか?」


 刹那、ガンスレイブの射て刺す眼差しが、ヒポクリフトへと向けられた。その眼差しを受けて、ヒポクリフトの背筋は凍る。


 フルフルと身を震わせるヒポクリフトに気付いてか、ガンスレイブは申し訳なさそうに頭を下げた。


「すまない。悪い癖が出てしまった…」


「い、いえ、こちらこそ、知った風な口を聞いてしまいごめんなさい」


「いや、いいんだ。ただ、ゴーストの封印に関しては、俺も譲れないのだ。許してくれ」


 巻き混んでしまってすまない、語尾にそうも付け加えた。

 ヒポクリフトは頷いて、「こちらこそ」とは居たたまれなく思う。


 結局、ゴーストとの戦闘、封印は避けることはできないという。

 その事に関して、ヒポクリフトは何故かは分からない。ただ頑ななガンスレイブを手前、何か譲れない、深い理由があるのだろうとは、その目から察していたのだった。


「とりあえず、ゴーストの封印に際した場所まで行く。ヒポクリフト、ほら」


 ガンスレイブは、ヒポクリフトに手を述べた。黒い革グローブの、デカデカとした大きな手を。


 ヒポクリフトはその手を取り、しっかりと頷いた。


 今はガンスレイブに全てを委ねようーーガンスレイブの大きく、力強い手の感触を受け、ヒポクリフトの決意は固まっていた。


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