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九州飛行機物語 ---ジェット化した「震電」の燃料は?---

作者: mopo

松根油しょうこんゆって知ってますか?


松の根を絞って作る植物油のことです。


戦争末期に日本各地はもちろん 松の多い朝鮮半島でも動員が行われ

松根油の収集が続きました。


松根油からガソリンが採れるから国防のためにがんばれと軍部は

キャンペーンを行い、呼応した庶民は松を掘りました。


松の根を絞って油をとってもガソリンを精製することは不可能です。


ガソリンに松根油をまぜてエンジンを回した方はエンストに悩まされ

使えないと記した文を見かけることがあります。


ガソリンに混ぜるとエンジンが使えなくなるのでマイナス面だけあって

増量剤としても使えません。


ww2末期 日本は重油の不足で艦船は作戦行動が停止され、

飛行機はガソリン不足で満足に敵の爆撃機の迎撃に飛べない

状態でした。


長崎に原爆を落としたB-29爆撃機は最初は小倉に落とす予定で

あったが雲が多く 戦果の確認が困難かもしれないということで

長崎に向かいました。


護衛の戦闘機はなく 1機のみの飛行です。日本は迎撃戦闘能力を

失っているので単独で九州上空をフラフラと移動しても安全だと

思われたからです。


戦意があってもガソリンが無いと飛行機は飛べません

精神で物理的なで戦闘継続能力を得る事はファンタジー世界の話で

現実ではありえないからです。


何故 軍部は必至にガソリン代用にならない松根油を集めたのでしょう?


何故 震電の話で松根油の話が出ると思いますか?関連が分かりますか?


震電のエンジンはガソリンで動く普通のレシプロエンジンなので

松根油を混ぜるとエンストして動かなくなります。


答えは 戦争中 ドイツと往復した潜水艦にあります。

日本で金属供出が行われ、金銀宝石の軍部への提供が求められられました。

これを潜水艦でドイツに送り、軍事技術の提供を求めました。


無料での軍事技術の提供は同盟国でもありえないのです。


戦争中なので撃沈された潜水艦もあります。その潜水艦には金銀宝石が

積み込まれているので各国の沈没船マニアは競って日本の沈没した潜水艦を

探しています。


ドイツから持ち帰った技術にロケットエンジンとジェットエンジンが

あります。


ロケットエンジンとジェットエンジンはガソリンではなく専用の

航空燃料を使います。ジェットエンジンに松根油が使える可能性を得た

軍部はエンジン開発と同時に燃料を集める作業にとりかかりました。


試行錯誤の末 空技廠は「ネ-20」というジェットエンジンの可動に成功し

航空機エンジンとして使用できるようになり「橘花」という機体にセットして

試験飛行を重ねました。


「ネ-20」の次の型のジェットエンジンを「震電」にセットすればジェット化

した迎撃機の「震電改」が生まれたかもしれません。


夢を見たいマニア達が「震電改」に心を寄せるのは理解できます。


私は夢を見たいが、それよりもガソリンが不足した日本で松根油にジェット燃料の

充当にかけた軍責任者のやせ我慢と最後まであがく姿勢に共感を覚えます。


ジェットエンジンの「ネ-20」は株式会社IHI(旧社名 石川島播磨重工業)の資料館で

見る事が出来る(要予約)

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